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クレイパックは、毛穴ケアや皮脂吸着といった高い機能性に加え、ナチュラル志向やSNS映えするビジュアル性から、世代や肌質を問わず幅広い人気を集めています。
自社ブランドでクレイパックを展開したいと考えている方にとって、OEM製造は初期投資を抑えつつスピーディに商品化できる有効な手段です。
しかし、クレイ特有の原料特性や処方設計の難しさから、パートナーとなる工場選びが成功の鍵を握ります。
この記事では、クレイの種類別の特徴やOEM製造の流れ、小ロット対応や法令順守の観点から見たOEM会社の選び方までを詳しく解説します。競合との差別化を図り、ブランド価値を高める製品開発を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
美容意識の高まりとともに、ナチュラル志向のスキンケア製品への関心が高まっています。そのなかで注目されているのが、クレイ(粘土)を使用したフェイスパックです。毛穴の汚れや余分な皮脂を吸着する効果に優れ、肌のキメを整える働きも期待されています。
こうした機能性の高さと自然由来のイメージから、クレイパックは世代を問わず人気を集めています。OEM製造を活用することで、専門的なノウハウがなくても、自社ブランドでのクレイパック展開が可能になります。
クレイパックと一口に言っても、使われるクレイの種類によって、肌への作用や製品の質感、価格帯が大きく異なります。OEM製造を検討する際は、ターゲットユーザーの肌質や使用シーンに合わせて最適なクレイを選ぶことが重要です。
たとえば、以下のようなクレイが代表的です。
ミネラルを豊富に含み、吸着力が高いクレイです。油性肌や毛穴の黒ずみが気になる層に人気で、さっぱりとした使用感が特徴です。
粒子が細かく、肌への刺激が少ないクレイです。敏感肌や乾燥肌向けのクレイパックに多く採用されています。色が白いため、美白系製品との相性も良好です。
粘性が高く、洗い流しやすい特性を持っています。皮脂や汚れの吸着に優れ、泡立てて使う製品にも向いています。洗顔やボディケア製品への展開も可能です。
クレイパックのOEM製造には、自社でゼロから企画・研究・製造体制を整えるよりも、はるかに少ないリソースでスピーディに商品を開発・販売できるという大きな魅力があります。とくにコスト、専門性、スピードの3点において優れたメリットがあり、近年ではD2Cブランドや異業種からの参入企業にも支持されています。
自社でクレイパックを製造するためには、製造工場や機械設備、原料の保管倉庫、製造管理システムの整備など、多額の初期投資が必要になります。さらに、化粧品製造業としての許認可取得や、品質管理のための人員配置も求められます。
OEM製造を活用すれば、こうした大規模な投資は一切不要です。すでに設備と許可を持つOEMメーカーの工場を活用できるため、限られた予算でも製品化が可能となり、事業の初期フェーズからリスクを最小限に抑えることができます。特に、初めて自社ブランドを立ち上げる事業者や、小規模な美容サロンなどにとって大きな利点です。
クレイパックの処方開発には、化粧品成分の選定や配合バランス、肌への安全性、テクスチャーの調整、保存安定性など、多岐にわたる専門知識が求められます。特にクレイは水分を吸収しやすく、防腐設計や菌管理においても注意が必要です。
OEMメーカーに依頼することで、これらの専門分野に精通した研究スタッフや薬機法に詳しい担当者が製品設計をサポートしてくれます。たとえば「敏感肌向けで洗い流しやすいクレイパックを作りたい」といった曖昧な要望でも、的確な原料選定や配合提案を受けられるため、企画担当者が化粧品の知識を持っていなくてもスムーズに開発が進みます。
また、OEMメーカーによっては試作やテストマーケティング向けの少量製造にも対応しており、実際に販売する前に製品の反応を確認できる点も大きな安心材料となります。
美容・コスメ市場はトレンドの移り変わりが非常に速く、タイミングを逃すとせっかくの商品企画が時流に合わなくなる可能性があります。OEMメーカーではすでに多種多様な処方データやベース素材のストックが存在し、それらをベースにしたカスタマイズも可能なため、ゼロから処方を構築するよりも圧倒的に短期間での製品化が実現できます。
また、製造から容器充填、パッケージデザイン、ラベル印刷、薬機法チェック、物流手配まで一貫して対応できる体制を持つOEMメーカーであれば、社内で複数の業者とやり取りする必要もなく、プロジェクトの進行が非常にスムーズです。
例えば「3か月後の展示会に間に合わせたい」「SNSでバズった原料を使って今すぐ製品化したい」といったスピードが求められるケースでも、柔軟に対応できるOEMメーカーであれば実現可能です。
クレイパックは天然成分の魅力や機能性の高さから注目を集めていますが、クレイ特有の性質に起因する開発上の課題も存在します。とくに処方設計や製造過程では、想定外のトラブルが生じることも少なくありません。事前に注意すべきポイントを把握し、OEMメーカーと密に連携することで、品質と安全性の両立を実現しやすくなります。
クレイは種類ごとに物理的特性や肌への影響が異なります。たとえば、モンモリロナイトは高い吸着力を持ちますが、乾燥肌には刺激が強すぎることがあり、逆にカオリンは刺激が少なく敏感肌に向いているものの、吸着力は穏やかです。このように、肌質との相性を見極めたうえで、複数のクレイをブレンドするケースもあります。
また、クレイは産地によってミネラルバランスや色調が異なるため、同じ名称でも仕上がりに差が出る可能性があります。天然由来成分ならではの個体差や、ロットごとの微妙な違いに注意し、安定した供給が可能な原料を選ぶことが求められます。
さらに、ナチュラル志向の商品として「クレイ100%」のような表記を希望する場合でも、実際には他成分との配合バランスが重要であり、効果や安全性を総合的に考慮した原料選定が不可欠です。
クレイパックの魅力のひとつに“泥感”のあるリッチなテクスチャーがありますが、粘度が高くなりすぎると使用時に伸びが悪く、洗い流しにも時間がかかるといった使用感の問題が発生します。特に温湿度によって硬さが変わりやすく、季節による使用感の差異にも注意が必要です。
そのため、水分や油分、保湿剤などとのバランスを細かく調整することが重要です。また、クレイと配合する成分によっては、分離や沈殿が起きる可能性もあるため、乳化安定性のテストや粘性測定を通じた評価も欠かせません。
実際のOEM開発では、塗布のしやすさ、肌からのはがれやすさ、洗い流しやすさなど、複数の観点からテクスチャーを細かく検証して最適な処方を導き出す必要があります。加えて、ユーザーテストによる主観的なフィードバックも重要な参考材料になります。
クレイは高い吸湿性を持つため、水分や空気中の雑菌を取り込みやすく、保存中に変質するリスクが高い成分です。特に、保存料を極力使いたくないナチュラル系ブランドでは、処方の設計段階から防腐設計と安定性への配慮が求められます。
防腐剤の適切な配合だけでなく、pHバランスの調整、容器の遮光性・気密性、さらには消費期限表示の設計まで含めた品質管理が不可欠です。また、微生物試験や高温高湿下での安定性試験(Accelerated Stability Test)を行い、実使用環境下での変化を事前に検証することが推奨されます。
とくに、チューブ容器やジャー容器の選定によっても保存性が左右されるため、製品の使用シーンや保管環境を想定した設計が重要になります。
クレイパックの製品化を成功させるには、信頼できるOEMパートナーの選定が欠かせません。製造品質はもちろん、ブランドコンセプトの理解や法令遵守、コミュニケーションのスムーズさまで含めて、トータルで任せられるかどうかが重要です。以下の3つの視点を中心に、自社の目的やリソースに合ったOEMメーカーを見極めましょう。
特にD2Cブランドや美容サロン、インフルエンサー監修コスメなどでは、初期段階から大量ロットで製造するのはリスクが高く、まずはテストマーケティングや数量限定の展開からスタートするケースが一般的です。そのため、OEMメーカーが「小ロット製造」に対応しているかどうかは、非常に重要な選定基準となります。
たとえば、最小ロット数が500個から対応可能か、試作費用はどの程度か、リードタイムはどれくらいか、変更依頼への柔軟な対応ができるかといった点を事前に確認しておきましょう。初回製造時は、配合の微調整や容器選定に手間取ることもあるため、柔軟な対応力があるOEM会社を選ぶことが、スムーズな商品化につながります。
また、スタートアップ企業に特化したサポート体制を持つOEM会社では、ブランディングや販路構築のアドバイスを受けられる場合もあります。
日本国内で化粧品を販売する場合、薬機法(旧薬事法)をはじめとする各種法令に準拠した製品表示・表現が義務付けられています。特にクレイパックは「毛穴ケア」「皮脂吸着」など機能性を訴求することが多いため、広告表現においてグレーゾーンに陥らないよう注意が必要です。
信頼できるOEMメーカーであれば、成分表示(INCI名、全成分表示)、効能の表記方法、容器・パッケージの記載内容などについて、専門スタッフによる法務チェック体制を整えており、過去の製造実績とあわせて確認できる場合が多くあります。違反表示による行政指導や販売停止リスクを避けるためにも、薬機法対応の経験豊富なメーカーと提携することが不可欠です。
とくに、広告代理店やEC事業者と連携して「表現レビュー」までカバーしてくれるOEM会社であれば、販売後のリスクも大幅に軽減できます。
近年のスキンケア製品では、パッケージのデザインや質感が購買に大きく影響を与えています。とくにSNSや動画コンテンツを通じた訴求が主流となっている現代では、ビジュアルで差別化された商品ほど話題になりやすく、「映えるパッケージ」の重要性はますます高まっています。
OEMメーカーによっては、容器選定・化粧箱・ラベル・シュリンクフィルムまで一貫して対応しているところもあり、トータルで製品の世界観を演出できます。容器の質感や色、印刷方式、耐久性など、実物を手に取って確認しながら進められる体制があるかもチェックポイントです。
また、サステナブルな素材やリサイクル容器の提案など、環境配慮型のパッケージ開発にも対応できるかどうかは、企業のブランディング戦略にも直結します。
クレイパックのOEM製造をスムーズに進めるためには、事前に製造プロセス全体の流れと準備事項を理解しておくことが重要です。OEMメーカーとの連携を円滑に進めることで、納期の遅延やコストの膨張といったトラブルを未然に防ぎ、より理想に近い製品づくりが可能になります。
OEMでクレイパックを製品化する際の一般的な流れは、以下のとおりです。
全体として、初回の企画から納品までにおおよそ3〜6ヶ月程度の期間がかかるのが一般的です。ただし、処方の複雑さやパッケージの特殊性によっては、さらに時間を要するケースもあるため、スケジュールには余裕を持って取り組むことが重要です。
OEMメーカーとのやり取りをスムーズに進めるには、依頼前に以下のポイントを明確にしておくことが成功の鍵となります。
ブランドコンセプト
たとえば「敏感肌向けのナチュラル処方」「SNS映えする高級感のあるパッケージ」「サステナブル素材使用」など、ブランドとしての方向性を定めておくことで、OEMメーカーの提案の精度が格段に向上します。
ターゲット層の明確化
性別、年代、肌質、ライフスタイルなど、具体的なターゲットを明確にすることで、処方・香り・パッケージデザインの方向性がブレにくくなります。
販売価格と原価のバランス
希望する販売価格をベースに、希望原価や想定マージンを逆算しておくと、OEM側も現実的なコスト内での処方提案が可能になります。
販売チャネルの想定
ECサイト・ドラッグストア・百貨店・サロンなど、販売場所によって求められる製品仕様や容器、法令対応も変わります。販路を先に想定しておくと、OEMメーカーも適切な提案がしやすくなります。
社内稟議や意思決定のフロー
複数回の試作や決裁が必要な場合は、誰がいつどのように判断を下すのか、社内の承認プロセスも整理しておくと、開発スケジュールが大幅にずれるのを防げます。
クレイパックはナチュラル志向・機能性・SNS映えといった消費者ニーズを満たすプロダクトです。その一方で、吸湿性の高さやテクスチャー調整の難しさといった開発上の課題も存在します。
だからこそ、小ロット対応の柔軟性、クレイ素材の扱い実績、法令順守体制、そして海外展開も見据えたOEMパートナー選びが肝要です。丁寧な準備と信頼できる製造先を選ぶことで、ブランド価値を高める魅力的な商品開発が実現できるでしょう。
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