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クリーンビューティのOEMは、安全性や透明性、環境配慮といった価値観を軸に、現代の化粧品市場で存在感を高めています。しかし、「クリーン」の定義は一様ではなく、原料設計や処方、表示表現、OEMメーカー選びまでを体系的に理解しなければ、開発途中で迷いやすくなります。
本記事では、クリーンビューティのOEMとは何かという基本から、実務で直面しやすい課題、現実的に実現できる範囲、そして失敗を避けるためのOEMメーカー選定の考え方までを整理します。これからクリーンビューティー化粧品の開発やブランド立ち上げを検討する企業担当者が、判断軸を明確にしながら次の一歩を踏み出せる内容を解説します。
クリーンビューティのOEMとは、安全性や透明性、環境配慮といった価値観を重視した化粧品を、OEMという形で企画・製造する取り組みです。従来の化粧品開発では、機能性や使用感が最優先されるケースが多く見られましたが、近年は成分の由来や製造背景まで含めて評価する姿勢が一般化しています。クリーンビューティは、単に特定成分を排除する考え方ではなく、消費者に対して分かりやすく説明できる処方設計や情報開示を前提とした概念です。
クリーンビューティとは、安全性、透明性、環境への配慮を重視した化粧品づくりの考え方を指します。肌への刺激が少ないことだけでなく、原料の由来や選定理由、製造工程について合理的に説明できることが求められる点が特徴です。
オーガニックは有機栽培原料の使用に重点を置き、ナチュラルは天然由来成分を中心とする考え方ですが、クリーンビューティは天然か合成かに限定されません。科学的根拠に基づき、安全性と必要性を説明できるかどうかを判断基準とします。こうした姿勢は、消費者との長期的な信頼関係を築くうえで重要視されており、成分表示や製品背景の開示を積極的に行う企業が増えています。
近年クリーンビューティーが注目されている背景には、消費者意識の大きな変化があります。SNSや口コミサイトの普及により、成分情報や企業姿勢が瞬時に共有されるようになり、商品そのものだけでなく、どのような価値観で開発されているかが評価対象となりました。
さらに、各国での化粧品規制の強化や、サステナビリティへの関心の高まりも影響しています。環境負荷の低減や倫理的な原料調達を求める声が強まる中で、クリーンビューティは企業にとってリスク管理とブランド価値向上の両立を可能にする領域として認識されています。市場調査においても、今後の成長が期待される分野として位置付けられています。
クリーンビューティを実現する手段として、OEMの活用は非常に合理的です。自社で研究開発から製造、品質保証、法規対応までを一から整えるには、多大なコストと時間が必要になります。特にクリーン処方では、原料の代替検討や各国規制への対応など、高度な専門知識が求められます。
その点、クリーンビューティ分野で実績を持つOEMメーカーと連携することで、開発リスクを抑えながら、スピーディーな市場投入が可能になります。品質や法規対応を含めて委ねられる点が、企業側にとってOEM活用が主流となっている大きな理由です。
クリーンビューティのOEMでは、原料設計から処方、さらに容器やパッケージに至るまで、一定の範囲でクリーン志向を反映させることが可能です。ただし、すべてを理想通りに実現できるわけではなく、法規制やコスト、供給体制といった現実的な制約を踏まえた設計が求められます。
まずは、クリーンビューティの考え方が最も色濃く反映される原料設計の領域から整理していきます。
原料設計は、クリーンビューティのOEMの方向性を決定づける重要な工程です。どの原料を使い、どの原料を使わないのかという判断は、製品の安全性だけでなく、ブランドとしての姿勢そのものを示すことにつながります。
その中でも、実務上まず検討されるのが、使用可・不可原料の考え方です。
クリーンビューティのOEMにおける原料設計では、使用可能な原料と避けるべき原料を明確に定義することが重要になります。多くのケースでは、いわゆるフリー処方として、パラベンや特定の合成着色料を使用しない方針が採られますが、それ自体が目的化しないよう注意が必要です。重要なのは、なぜその原料を使用しないのか、代わりにどのような選択を行ったのかを説明できることです。
さらに、原料のトレーサビリティを確保し、どの地域でどのように生産された原料なのかを把握できる体制も求められます。代替原料を選定する際には、安全性に加えて、安定供給の可否や価格変動リスクまで考慮する必要があります。OEMメーカーの原料ネットワークや知見を活用することで、現実的かつ継続可能な原料設計が可能になります。
原料の方向性が定まった後は、それらをどのように処方として成立させるかが次の課題になります。クリーン志向を強めるほど、処方や製剤の自由度は下がり、技術的な調整が必要になる場面が増えていきます。
ここでは、特に重要となる安定性と使用感のバランスについて見ていきます。
クリーン志向を強めるほど、処方や製剤には一定の制約が生じます。防腐成分の選択肢が限られることで、製品の安定性や保存性を確保する難易度が高まるためです。特に水系製品では微生物リスクへの対応が重要となり、使用感や香りとの両立が課題になります。
そのため、クリーンビューティのOEMでは、理想的な処方を一度で完成させるのではなく、試作と評価を繰り返しながら実用性を高めていく姿勢が欠かせません。安全性を確保しつつ、ユーザーが満足できる使用感を実現するには、処方技術や評価ノウハウが不可欠です。最終的な製品品質は、OEMメーカーが持つ製剤技術や検証体制によって大きく左右されます。
クリーンビューティの評価は、中身だけで完結するものではありません。近年は、容器やパッケージも含めた環境配慮の姿勢が、ブランド全体の信頼性に影響を与えるようになっています。
そのため、OEM検討段階からサステナブルな容器の選択について考える必要があります。
クリーンビューティでは、容器やパッケージも重要な評価要素となります。リサイクル素材の使用や詰め替え対応など、環境負荷を低減する選択肢が検討されることが一般的です。ただし、こうした対応にはコストや供給安定性といった現実的な制約が伴います。素材によっては調達が不安定になり、製品価格に直接影響するケースもあります。
そのため、OEM段階で容器メーカーと調整を行い、ブランドとしての理想と実務上の条件をすり合わせることが重要です。クリーンビューティのOEMでは、パッケージも含めた全体設計として、無理のない持続可能な判断が求められます。
クリーンビューティのOEMは、ブランド価値の向上や市場競争力の強化につながる一方で、検討段階や開発途中でつまずきやすい特有の課題も抱えています。これらの課題を事前に把握しておくことで、後工程での認識違いや想定外のコスト増といったトラブルを回避しやすくなります。
まず多くの企業が直面しやすいのが、「クリーン」という言葉そのものの捉え方に関する問題です。
クリーンビューティのOEMにおいて最も多い課題は、「クリーン」という言葉の定義が企業ごとに異なる点にあります。ブランド側では一般的なフリー処方を想定していても、OEM側では別の基準で理解している場合があり、両者の認識がずれたまま開発が進むことがあります。
その結果、試作後の段階で方向性の修正が必要となり、スケジュールの遅延や追加コストが発生するリスクが高まります。こうした事態を防ぐためには、開発初期の段階で、使用しない原料や必須条件、優先順位を明文化し、OEMメーカーと共有しておくことが欠かせません。クリーンの定義を言葉ではなく条件として整理することが、実務上の安定につながります。
クリーンビューティを訴求する際には、製品そのものだけでなく、表示や広告表現にも慎重な対応が求められます。クリーンであることを強調するあまり、根拠が不十分な表現を用いると、消費者や取引先からグリーンウォッシュと受け取られるリスクがあります。
特に化粧品分野では、成分や効果に関する表現に対する規制が厳しく、業界団体である 日本化粧品工業連合会 が示すガイドラインなどを踏まえた表現設計が重要になります。エビデンスに基づかない表現は、ブランド信頼を損なうだけでなく、是正対応や表現修正といった追加負担を招きかねません。法規制や表示ルールを理解したOEMメーカーと連携することで、こうしたリスクを事前に抑えることが可能になります。
クリーンビューティのOEMでは、原料調達や生産条件がコストに直結しやすい点も課題となります。クリーン原料は供給元が限られることが多く、価格が高止まりしやすい傾向があります。また、小ロットでの生産を希望した場合でも、原料や製造工程の都合により、最低ロットの制約を受けるケースが少なくありません。
その結果、想定していた初期投資を上回る費用が必要になることもあります。事業計画と照らし合わせながら、販売見込みや在庫リスクを考慮した現実的な数量設定を行うことが重要です。OEMメーカーと早い段階でコスト構造を共有し、調整を重ねることが、無理のない立ち上げにつながります。
クリーンビューティのOEMの成否は、パートナーとなるOEMメーカーの選定に大きく左右されます。価格条件だけで判断してしまうと、開発途中での方向転換や品質面での不安が生じやすくなります。そのため、対応力や実績、体制面を含めて総合的に評価する視点が欠かせません。
まずは、メーカーがこれまでどのようなクリーン処方に対応してきたのかを確認することが重要になります。
クリーンビューティのOEMでは、メーカーごとの対応経験の差が結果に直結しやすい傾向があります。クリーン処方は、原料制限や処方制約が多く、想定外の課題が発生しやすいためです。
そこで重要になるのが、過去の開発実績を具体的に確認することです。
具体的には、これまでにどのようなクリーン志向の製品を手がけてきたのか、どの程度の原料制限に対応してきたのかを把握する必要があります。実績が豊富なOEMメーカーほど、処方調整や代替原料の提案に慣れており、トラブルが発生した場合でも柔軟に対応しやすくなります。抽象的な説明だけでなく、取引実例や対応範囲を確認することで、実務レベルでの対応力を見極めることができます。
対応実績と並んで重要なのが、品質と安全性を担保する体制です。クリーンビューティを掲げる以上、処方内容だけでなく、製造工程や管理体制においても高い信頼性が求められます。
そのため、OEMメーカーがGMPに準拠した工場運営を行っているか、品質管理や品質保証の体制が整っているかを確認することが不可欠です。
国内メーカーの場合には、医薬品医療機器総合機構 が公開している情報を参考にしながら、法規対応の姿勢や過去の指摘事項の有無を確認することが有効です。監査対応の経験があるかどうかも重要な判断材料となります。品質・安全体制が整っているOEMメーカーほど、長期的なブランド運営において安心して任せることができます。※1
OEMメーカーとの初期相談では、事前に確認すべきポイントを整理しておくことが重要です。クリーンビューティのOEMでは、開発途中での認識違いがそのままコスト増やスケジュール遅延につながりやすいためです。
具体的には、使用できない原料の範囲や、クリーン表現として可能な表示内容、試作の回数や開発に要するリードタイムなどを早い段階で確認しておく必要があります。
これらを曖昧なまま進めてしまうと、後工程で条件変更が発生しやすくなります。相談時に実務的な質問を投げかけ、その受け答えの具体性や提案力を見ることで、OEMメーカーの対応姿勢や経験値を把握することができます。初期段階での丁寧なすり合わせが、クリーンビューティのOEMを成功に導く土台となります。
クリーンビューティのOEMを円滑に進めるためには、全体像を把握したうえで、段階ごとの進行イメージを持つことが重要です。一般的な化粧品開発と同じ流れで進めようとすると、途中で認識のずれや調整不足が生じやすくなります。
まずは、OEM相談に入る前の企画初期段階で何を決めておくべきかを整理することが、後工程の安定につながります。
企画初期の段階では、ブランドとしての基本方針を明確にすることが欠かせません。どのような価値観を持つブランドなのか、どの市場や顧客層を想定しているのかを整理することで、クリーンビューティの方向性も自然と定まります。
あわせて、使用しない成分や必須条件を整理し、NG成分を具体的に言語化しておくことが重要です。この段階で方針が曖昧なままOEM相談に進むと、後から条件変更が発生しやすくなります。企画初期での整理が十分であればあるほど、OEMメーカーとのコミュニケーションはスムーズになり、無駄な試作や修正を減らすことができます。
企画内容が固まった後は、OEMメーカーとの具体的な相談に進みます。一般的には、初回ヒアリングを通じて要件を共有し、その内容をもとに試作が行われます。試作後は評価を重ね、処方や仕様を調整しながら量産へと進んでいきます。
クリーンビューティのOEMでは、原料制限や処方制約の影響により、試作と評価の回数が増える傾向があります。そのため、初回ヒアリングの段階で条件を丁寧にすり合わせ、途中で大きな方向転換が起きないようにすることが重要です。OEMメーカーとの密なやり取りを重ねながら進めることで、品質と方針の両立が図りやすくなります。
クリーンビューティ特有の要素を考慮すると、通常の化粧品開発よりも開発期間が長くなるケースがあります。原料選定や代替検討、安定性評価に時間を要するためです。
そのため、市場投入の希望時期から逆算し、現実的なスケジュールを組むことが求められます。短期間での立ち上げを前提にすると、クリーン志向を十分に反映できない可能性もあります。余裕を持った開発計画を立てることで、品質やブランド価値を損なわずにクリーンビューティのOEMを進めることができます。
クリーンビューティのOEMは、安全性や透明性、環境への配慮といった価値観を製品として具体化するための有効な手段です。ただし、成功の鍵はクリーンな処方そのものではなく、その考え方をどれだけ現実的な設計に落とし込めるかにあります。
「クリーン」の定義を企画初期に明確にし、原料や表現、スケジュールに関する判断基準を共有することで、OEMメーカーとの協業は格段に進めやすくなります。
また、OEMメーカー選びでは、価格や条件だけでなく、クリーン処方への対応実績や品質・安全体制を含めて総合的に判断する視点が欠かせません。クリーンビューティ特有の制約を理解し、現実的な提案ができるパートナーと組むことが、開発の安定性と最終的な製品価値を左右します。
クリーンビューティのOEMは短期的なトレンド対応ではなく、長期的なブランド構築の一環です。理想と実務のバランスを取りながら段階的に進めることで、無理のない形で市場に受け入れられる製品づくりが可能になります。まずは自社の方針を整理し、信頼できるOEMメーカーとの対話から始めることが、成功への第一歩といえるでしょう。
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