米国に化粧品を輸出するには?MoCRA・GMP・成分規制の全体像と対応策米国に化粧品を輸出するには?

米国に化粧品を輸出するには?MoCRA・GMP・成分規制の全体像と対応策

米国市場で化粧品を販売するには、単にFDAのルールを確認するだけでは十分ではありません。連邦法、州法、そしてMoCRAによる新たな義務が重なり合い、表示・成分・広告・GMP・通関対応までを横断的に設計する必要があります。※1 とくに近年は、U.S. Food and Drug Administrationによる登録義務や有害事象報告の強化により、「知らなかった」では済まされない体制整備が求められる環境へと変化しています。

本記事では、米国化粧品規制の全体像を俯瞰しながら、化粧品と医薬品の線引き、MoCRA対応、表示・ラベリング規制、成分規制、GMP体制、さらにはImport AlertやDetentionリスクまでを体系的に整理します。日本の薬機法との違いを踏まえ、実務担当者がどの順番で何を確認すべきかをロードマップ形式で理解できる構成としています。

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米国化粧品規制の全体像とは

米国化粧品規制の全体像とは

米国で化粧品を販売するときは、日本の延長で制度を当てはめるのではなく、規制が多層で動く市場だと捉える必要があります。連邦法を軸にしながら州法と自主規制が同時に作用し、実務では「どれか1つを守れば足りる」状態になりにくいからです※1。

連邦レベルでは、FDAがFD&C Actなどに基づいて化粧品を監督します。米国の特徴は、化粧品について原則として事前承認を前提にしない点にあり、企業が安全性と表示適法性を担保したうえで市場に出し、問題があれば行政対応が起きる設計になっています※1。したがって、ブランド側は品質と表示の整合を自社の責任として管理し、監査や是正が回る体制を先に作ることが重要になります。

この連邦法の枠組みだけでも負荷は小さくありませんが、州法が上乗せされると難易度が上がります。たとえばカリフォルニア州のProposition 65は、一定条件下で警告表示を求める仕組みを持ち、州内で流通させる企業に追加対応を迫ります※2。さらに、業界団体の自主基準やECプラットフォームの審査基準が販売可否に影響するため、法令遵守とチャネル運用を切り分けずに設計する必要があります。

この全体像を押さえると、次に確認すべき論点が明確になります。米国では「化粧品に該当するかどうか」が、成分そのものよりも意図と表現で動くからです。

米国における化粧品の定義

米国で化粧品に該当するかどうかは、FD&C Act上の定義とFDAの整理に基づいて判断します※3。ここで重要なのは、分類が「用途」と「意図された目的」に強く依存し、パッケージ表示や広告表現が判断材料になる点です。

そのため、同じ処方でも主張を変えるだけで扱いが変わる可能性があります。米国では、1つの製品が化粧品と医薬品の両方に該当し得ることが明確に説明されており、いわゆる二重分類が実務上の論点になります※3。保湿や外観の印象を整える範囲にとどめるつもりでも、治療や機能変化を示唆する言い回しが入ると、分類が揺れます。

この前提を共有できていないと、商品企画は化粧品のつもりでも、広告制作やLPでの表現が原因で医薬品側に寄ってしまいます。そこで次は、医薬品との線引きをより具体的に整理します。

医薬品との線引き(Drugとの違い)

米国では、疾病の診断や治療、予防を意図する主張、または身体の構造や機能に影響を与える意図を示す主張があると、医薬品に分類される可能性が高まります※3。ここでのポイントは、科学的根拠の有無というよりも、表示と広告で何を約束しているかが判断を動かす点です。

たとえば「whitening」「anti-aging」「anti-inflammatory」「hair growth」のような表現は、受け手に治療的・機能的な印象を与えやすく、医薬品的な主張として指摘されるリスクが生じます※3。加えて、指摘対象はラベルだけに限られず、WebサイトやSNS上の表現も含まれるため、マーケティング活動を別管理にすると統制が崩れます。

このリスクを下げるには、コピーを作ったあとに薬事が止める運用では遅くなります。商品企画の段階から「主張できる範囲」を合意し、制作物のレビューと改訂が回るようにしておくことが、最も現実的な予防策になります。

この考え方は、日本の薬機法の枠組みと比較すると理解しやすくなります。

日本薬機法との主な違い

日本では、化粧品における効能表現の範囲が通知等で整理され、実務では「標榜可能な効能」の枠を基準に判断することが多くなります。実際に、化粧品で標榜できる効能の範囲が一覧化されており、枠内で表現を設計する発想が取りやすい制度です。

これに対して米国では、化粧品について事前承認の仕組みが原則としてなく、企業が安全性と表示適法性を担保したうえで市場に出し、問題があれば行政対応や訴訟リスクとして顕在化します※3。つまり、表現の自由度が相対的に高い一方で、事後責任が重く、解釈の揺れが実務リスクになるという構造になります。

また、日本では医薬部外品という中間区分があり、商品設計で段階を作れますが、米国は基本的に化粧品か医薬品かで整理されます※3。したがって、米国向けに展開するときは、日本の区分設計をそのまま持ち込むのではなく、主張と分類が一致するように、商品企画と表示戦略を同時に組み直す必要があります。

MoCRA(2022年化粧品規制近代化法)の実務対応

MoCRA(2022年化粧品規制近代化法)の実務対応

2022年に成立したMoCRAは、米国化粧品規制を大きく転換させた改正法です。正式名称はModernization of Cosmetics Regulation Actであり、従来は任意色の強かった制度を法的義務へと引き上げました※1。現在は、登録・報告・記録保持が明確な法定義務となり、企業の説明責任と内部統制の強化が求められています。

制度を所管するのはU.S. Food and Drug Administrationであり、米国市場で事業を行う企業は、製造拠点が海外であっても対応が必要になります。以下では、実務上重要な3つの義務を整理します。

施設登録(Facility Registration)

MoCRAにより、化粧品の製造または加工を行う施設はFDAへの登録が義務化されました※1。対象は米国内施設に限らず、外国施設も含まれます。日本のOEM工場が米国向け製品を製造する場合も登録対象となります。

登録は電子システム経由で行われ、2年ごとの更新が必要です。施設情報、責任者情報、製造活動内容などを正確に届け出る必要があります。更新を怠ると、その施設で製造された製品の流通に影響が及ぶ可能性があります。

ブランド側も委託先任せにはできません。OEM先の登録状況確認と契約上の義務明文化が実務対応の要点になります。

製品登録(Product Listing)

施設登録に加えて、米国内で販売される化粧品は製品単位での登録が必要です※1。製品名、カテゴリー、成分情報などを電子的に提出します。

特に重要なのが成分情報の正確性です。処方変更が生じた場合は登録内容も更新する必要があり、処方管理と登録情報の連動体制が不可欠です。INCI名称の整合確認もブランド側の責任範囲に含まれます。

登録はFDAのポータルを通じて行われ、登録番号が付与されます。この番号を社内の品質管理システムと紐づけることで、トレーサビリティを確保できます。

有害事象報告義務(Serious Adverse Event)

MoCRAは有害事象報告制度も強化しました。死亡、入院、持続的障害などの重篤な有害事象が発生した場合、原則15営業日以内にFDAへ報告する義務があります※1。

報告義務は製造業者だけでなく販売業者にも及びます。そのため、カスタマーサポートと品質保証部門の即時連携体制が重要になります。問い合わせ内容が報告対象かどうかを迅速に判断できる内部フロー整備が不可欠です。

さらに、関連記録の保存義務も課されます。単なる報告作業ではなく、継続的な記録管理と監査対応体制の構築が求められます。

関連記事:化粧品OEMの海外展開を成功させるポイントと陥りがちな罠【海外事業部の専門家が語る】

米国化粧品の表示・ラベリング規制

米国化粧品の表示・ラベリング規制

米国市場で化粧品を販売する場合、ラベリング規制への適合は事業継続の前提条件です。表示不備は通関時のDetentionの主要原因とされ、処方に問題がなくても流通停止に直結します※1。

表示規制はFD&C Actおよび関連規則に基づき、U.S. Food and Drug Administrationが監督しています。※1 制度の思想は、日本の薬機法とは異なり、消費者に対する十分な情報開示と誤認防止を重視する構造にあります。

特に実務上重要なのは、INCI名での成分表示、重量順記載、責任主体表示、必要に応じた警告表示です。これらは形式的要件ではなく、法的義務として明確に求められています。

必須表示項目一覧

米国で販売される化粧品には、いくつかの基本表示事項があります※1。

まず、製品のアイデンティティ表示です。これは製品の一般的性質や用途を示す名称であり、消費者が製品内容を理解できる表記である必要があります。

次に、内容量表示です。米国ではヤード・ポンド法が基本単位であり、fl oz、oz、lbなどで表示しなければなりません。メートル法のみの記載では不十分です。内容量は主表示面に明確に示す必要があります。

成分表示はINCI名称を使用し、重量の多い順に記載します。1%未満の成分は後段にまとめることができますが、着色料には特別な扱いがあります。順序誤りや名称不一致は、即座に表示違反となるリスクがあります。

さらに、責任主体の名称および所在地表示が求められます。製造業者、包装業者、販売業者のいずれかを明示し、都市名、州名、郵便番号を含める必要があります。輸入品では、米国内責任主体の明確化が特に重要です。

ラベル設計はデザイン工程と並行して薬事チェックを組み込み、開発初期段階から整合を取る体制が現実的です。

効能表現のリスク管理

表示規制で最も注意が必要なのが効能表現です。米国では、表示や広告での主張が医薬品該当性を左右します。

「whitening」「anti-aging」「hair growth」「anti-inflammatory」などの表現は、身体構造や機能への影響を示唆すると解釈される可能性があります。その場合、化粧品ではなく医薬品と判断されるリスクが生じます※3。

医薬品に分類されると、FDA承認やOTCモノグラフ適合が必要となり、通常の化粧品販売は困難になります。実際にU.S. Food and Drug Administrationは、誤認を招く効能表示に対して警告書を発出しています。

規制対象はパッケージ表示に限られません。ウェブサイト、SNS投稿、広告コピー、インフルエンサー発言も含まれます。マーケティング部門の独自判断が企業全体のリスクになるため、広告レビュー体制と社内教育の整備が不可欠です。

EC販売(Amazon・Shopify)時の注意点

オンライン販売でも表示義務は変わりません。商品ページに必要情報が欠落していれば、違反と判断される可能性があります。

Amazonでは、ラベル画像や成分情報の提出が求められ、内部審査に不備があれば出品停止となることがあります。プラットフォーム独自基準は、連邦法以上に厳格な場合もあります。

Shopifyを用いた自社ECでも、成分表示や責任主体情報を適切に掲載する責任は販売者にあります。表示不足は消費者保護上の問題に発展する可能性があります。

さらに、レビュー管理も重要です。レビュー欄に医薬品的効能を示唆する表現が多数存在する場合、企業が黙認していると解釈されるリスクがあります。レビュー監視とモデレーション体制の構築は、表示コンプライアンスの延長線上にあります。

表示設計はラベル面だけで完結しません。デジタルチャネルを含めた統合的な表示管理こそが、米国市場での持続的な販売基盤になります。

成分規制と禁止・制限物質

成分規制と禁止・制限物質

米国で化粧品を販売する場合、成分規制の確認は最初に行うべき法務チェックです。連邦レベルで明確に禁止されている物質が存在し、さらに州法による追加的な規制や警告義務が重なります※1。

成分規制は、U.S. Food and Drug Administrationが所管する連邦法の枠組みと、州法の両方を確認する必要があります。日本では使用実績がある成分でも、米国では扱いが異なる場合があるため、処方の横展開は慎重に行う必要があります。

FDAが禁止している成分

米国では、連邦法に基づき一部成分の使用が明確に禁止されています※1。代表的な例として水銀化合物があり、特定の例外を除き化粧品への配合は禁止されています。水銀は過去に健康被害が問題となり、現在も厳格に管理対象となっています。

また、クロロホルムや特定の塩化ビニル系物質など、健康リスクが確認された成分は使用が認められていません。禁止物質の数は日本と比べて多いわけではありませんが、禁止リストに該当すれば即違法となるため、原料段階での確認が不可欠です。

実務では、原料サプライヤーから最新の成分情報を取得し、FDA公開情報と照合する工程を組み込むことが重要です。特に海外OEMを利用する場合、米国基準での再確認が求められます。

州法(カリフォルニアProp65など)への対応

連邦法に違反していなくても、州法によって追加的な義務が発生することがあります。代表例がカリフォルニア州のProposition 65です※2。

Prop65は、発がん性や生殖毒性があると州が指定した物質について、一定基準を超える暴露が見込まれる場合に警告表示を義務づけています。禁止ではなく警告表示義務が中心である点が特徴です。

越境EC事業者であっても、カリフォルニア州の消費者に販売する場合は対象となります。販売規模が小さくても免除されるとは限らず、警告表示を怠ると民事訴訟リスクが発生します。

実務では、対象物質リストの定期確認と、原料由来の微量含有リスクの把握が重要になります。特に天然由来原料は不純物混入の可能性があるため、分析証明書の確認が欠かせません。

日本では使用可能だが米国で注意が必要な成分

成分そのものが禁止されていなくても、表示文脈や用途によって注意が必要なケースがあります。たとえば、日本では一般的な美白訴求成分であっても、米国で「whitening」や「bleaching」といった表現を用いると、医薬品的効能と解釈される可能性があります。

この場合、問題は成分そのものではなく、主張との組み合わせです。米国では用途と表示が分類を決めるため、成分安全性と広告表現を分けて考えることはできません。

また、防腐剤や着色料の中には、用途や濃度によって規制が変わるものもあります。日本基準で問題がない処方でも、米国では別途確認が必要です。

結論として、米国向け製品開発では、成分の可否確認だけでなく、州法リスク、表示設計、販売チャネルまで含めた統合的なコンプライアンス設計が不可欠です。

関連記事:海外の化粧品を日本に輸入する際のポイント

米国化粧品GMPとISO22716の関係

米国化粧品GMPとISO22716の関係

米国では、医薬品のように詳細な強制GMP省令が体系化されているわけではありません。しかし、適切な製造管理と品質管理体制を備えることは法的責任の一部と位置づけられています※1。とくにMoCRA施行後は、安全性確保責任がより明確化され、実務上のGMP水準は事実上引き上げられています。

その監督を担うのがU.S. Food and Drug Administrationです。OEM企業やブランドオーナーにとって重要なのは、「形式的な認証」よりも「実効的な管理体制」が評価対象になるという点です。

FDAが求めるGMPの考え方

米国における化粧品GMPは、医薬品のような詳細な成文化基準とは異なり、法的要求とガイドラインの組み合わせで理解する必要があります※1。

強制力のあるのはFD&C Actに基づく安全性確保義務や不良品流通の禁止です。一方で、具体的な運用方法についてはガイドラインや査察実務を通じて示されます。したがって、条文だけを読んでも十分ではありません。

査察では、記録管理、衛生管理、原料受入管理、ロットトレーサビリティ、苦情処理体制などが重点的に確認されます。とくに「記録が存在するか」「再現可能か」という点が重視されます。文書化されていない管理は、実務上は存在しないとみなされるという前提で設計する必要があります。

OEM企業にとっては、ブランドからの監査要求とFDA査察の双方を想定した体制整備が求められます。

ISO22716は米国で通用するか

ISO 22716は、化粧品の国際的GMP基準として広く認知されています。品質マネジメントの枠組み、文書管理、製造管理などを体系化しており、顧客説明や海外展開時の信頼獲得には有効なツールです。

しかし、ISO認証を取得していること自体が、FDA対応を保証するわけではありません。FDAはISO認証の有無ではなく、実際の管理体制と法令適合性を評価します。

そのため、ISO22716は「基盤整備の証明」としては有効ですが、米国法特有の要求事項、例えば有害事象報告体制や登録制度との連動まで含めた統合設計が必要です。ISOはスタート地点であり、ゴールではありません。

査察・リコール対応体制の整備

米国市場で事業を継続するには、査察とリコールを前提とした体制整備が不可欠です※3。

まず、ロット単位でのトレーサビリティ確保が基本です。原料から最終製品、出荷先まで遡及できる仕組みが必要になります。記録保存期間の設定とアクセス管理も重要です。

次に、苦情処理と自主回収のフロー設計です。問題発生時に迅速な自主回収を実行できるかどうかが、企業評価を大きく左右します。対応の遅れは行政措置やブランド毀損につながります。

さらに、PL保険の加入検討も実務上重要です。米国では製造物責任訴訟が一般的であり、法令遵守だけでリスクがゼロになるわけではありません。

総じて、米国GMP対応は認証取得の有無ではなく、記録・再現性・説明責任を軸とした運用体制そのものが問われます。ISO22716を活用しながらも、米国特有の規制構造に適合させる統合的な品質管理設計が、持続的な市場展開の鍵となります。

輸入時の通関・Detentionリスク対策

輸入時の通関・Detentionリスク対策

米国に化粧品を輸入する際、最大の実務リスクの1つが通関段階での差し止めです。U.S. Food and Drug AdministrationはImport Alert制度を運用しており、一定の条件に該当する製品についてはDetention Without Physical Examination(DWPE)、すなわち物理検査なしの差し止めを行うことがあります※1。

これは過去の違反履歴や特定カテゴリーへの監視強化を根拠に、港湾段階で自動的に保留される仕組みです。実際の検査を経ずに差し止められるため、解除には証明資料提出や再検査が必要となり、時間とコストが大きくかかります。

通関リスクは出荷後に対応するものではなく、出荷前設計の段階で予防するものという認識が重要です。

通関差し止めの主な理由

通関差し止めの代表的理由は、ラベル不備、禁止成分の含有、医薬品的効能表示です。

ラベル不備では、INCI表示の誤り、成分順序違反、内容量単位の不適合などが典型例です。形式的な表示ミスであっても、違反と判断されれば流通は止まります。

成分違反では、連邦レベルで禁止されている物質や、未承認着色料の使用などが該当します。さらに、州法との整合が取れていない場合も問題になります。

医薬品的表示は特に注意が必要です。「hair growth」「anti-inflammatory」「whitening」といった主張がある場合、化粧品ではなく医薬品と判断され、差し止め対象となる可能性があります。処方よりも表示が原因になるケースが多い点が特徴です。

これらを防ぐためには、出荷前のラベル・広告・成分の三位一体レビュー体制が不可欠です。

米国代理人・責任者の設置

外国企業が米国に製品を輸入する場合、米国内の連絡先や責任主体の明確化が求められます。MoCRA対応や施設登録との関係でも、米国内窓口の存在は実務上重要になります。

いわゆるUS Agentや米国内責任者は、行政連絡、査察対応、書類受領などの役割を担います。単なる名義貸しではなく、実際に連絡が取れ、対応できる体制であることが重要です。

契約上は、責任範囲、報告義務、情報共有方法、緊急対応フローを明確に定める必要があります。責任分担が曖昧なままでは、問題発生時に対応が遅れ、結果として輸入者側のリスクが拡大します。

輸出前チェックリスト

通関リスクを下げるためには、出荷前の内部チェックが有効です。

まず、成分が連邦禁止物質や州法対象物質に該当していないかを確認します。次に、INCI表示、重量順、内容量単位、責任主体表示の整合性を確認します。

さらに、MoCRAに基づく施設登録と製品登録が完了しているかを確認します。登録情報と実際の処方が一致していることも重要です。

広告文言やEC商品ページ上の表現が医薬品的主張になっていないかも確認対象です。ラベルだけでなくデジタル表示も含めた一括確認が必要になります。

これらを標準手順として文書化することで、担当者依存のリスクを減らすことができます。

まとめ:米国化粧品規制対応の実務ロードマップ

米国化粧品規制は、連邦法、州法、MoCRA、表示規制、成分規制、GMP、輸入管理が相互に関連する構造です。単発対応ではなく、設計段階から規制適合を前提にした体制構築が成功の鍵になります。

実務ロードマップは3段階で整理できます。準備段階では、成分確認と表示レビューを徹底します。販売開始段階では、登録完了と表示適合を最終確認します。販売後は、有害事象報告体制と記録管理を維持します。

この三段階で整理すれば、社内説明資料としても活用でき、海外展開戦略の基盤にもなります。米国市場は大きな機会を持つ一方で、規制理解の不足は重大な損失につながります。体系的理解と継続的アップデートこそが、安定した米国展開の前提です。

米国における化粧品規制に関するFAQ

MoCRAとは何ですか?

MoCRA(Modernization of Cosmetics Regulation Act of 2022)は、米国化粧品規制を大幅に近代化した法律です。

主な変更点:
・施設登録の義務化
・製品リスティング義務
・重篤有害事象報告義務
・安全性証明の義務
・FDAによるリコール権限強化

これにより、従来よりもコンプライアンス要件が厳しくなりました。

米国では化粧品の事前承認は必要ですか?

通常の化粧品には事前承認は不要です。

ただし例外:

・カラー添加物(着色料)は承認制
・医薬品に該当する製品(例:ニキビ治療、日焼け止め)はOTC医薬品扱い

「効能表現」によっては医薬品扱いになるため注意が必要です。

米国で禁止されている化粧品成分はありますか?

はい、あります。

主な禁止例:
・水銀化合物(原則禁止)
・クロロフルオロカーボン(CFC)
・特定フタル酸エステル
・ホルムアルデヒド放出量制限

EUより禁止成分は少ないですが、州法(例:カリフォルニア州)で追加規制がある場合があります。

米国のラベル表示規制は?

表示には以下が必要です:

・製品名
・内容量(オンス表記)
・成分表示(INCI名)
・製造販売業者情報
・警告表示(必要な場合)

表示ルールはFDAガイドラインに準拠します。

米国での施設登録は必要ですか?

MoCRAにより、米国内で製造・加工される施設はFDA登録が義務化されました。
海外製造業者も対象となる場合があります。

米国輸出する場合、日本企業は何をすべきですか?

必要な対応:
・成分規制確認
・英語ラベル作成
・FDA施設登録確認
・製品リスティング
・安全性評価書保管
・有害事象報告体制構築
特にMoCRA対応は必須です。

・参考

※1 U.S. Food and Drug Administration, “Cosmetics & U.S. Law
※2 California Office of Environmental Health Hazard Assessment (OEHHA), “Proposition 65”
※3 U.S. Food and Drug Administration, “Is It a Cosmetic, a Drug, or Both?

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