- HOME
- 化粧品OEMラボ
アルガンオイルの存在を知ってはいるけれど、使ったことはないという方も多いのではないでしょうか。イタリアでアルガンオイルがスローフード大賞を受賞して以来、ヨーロッパではアルガンオイルの人気が高まり、日本でもその認知が広がってきました。
ヨーロッパにおけるロハスやスローフード運動は日本にも影響し、健康意識の高まりや生活者の価値観の多様化に繋がり、化粧品※の機能性追求やメンズコスメなど新市場が成長しています。
「モロッコの黄金」といわれるアルガンオイルは、古くからモロッコで料理・スキンケア薬用に利用されてきました。この記事では、強い紫外線と乾燥にさらされる厳しい自然環境の中で、アルガンオイルが人々の健康を支えてきた特長を分かりやすく解説します。
Contents
「モロッコの黄金」といわれるアルガンオイル(化粧品表示名:アルガニアスピノサ核油)は、モロッコの南西部、サハラ砂漠の北端地域にしか存在しないアルガンノキ(学名:Argania Spinosa, syn. Sideroxylon spinosum 英名:Argania)の種から採れる希少な油です。
モロッコのベルベル人は、芳醇な香りづけの料理用に、強い紫外線や乾燥から肌を守るスキンケア用に、皮膚の創傷回復などの薬油としてもアルガンオイルを古くから利用してきました。
近年ではアルガンノキを保護し、地域の砂漠化を防止する活動が始まっています。また、アルガンオイルが生み出す雇用に女性が従事することで女性の社会的な地位向上に貢献することも、アルガンオイル産業に期待されています。
アルガンオイルが持つ美容・健康効果の秘密は、豊富に含まれる以下の3つの成分にあります。
それでは1つずつ、見ていきましょう。
アルガンオイルの成分の1つ目は、ビタミンEです。
アルガンオイルは、「若返りのビタミン」ともいわれるビタミンEをオリーブオイルの約4倍も含有しています。体内でほとんど作ることができないため、体の外から摂取・塗布する必要があります。ビタミンEは、紫外線やマスク摩擦などの外的刺激と乾燥から肌を守るバリア機能を安定させ、肌の潤いを保ちます。紫外線によって発生する活性酸素が真皮内のコラーゲン線維を破壊し、深いしわが生成される肌の老化を防ぎます。また、血行促進作用があり、皮膚の新陳代謝を高め、できてしまったメラニンの排出を促します。一方で、ビタミンEの抗酸化作用がメラニン生成を抑制したり、メラニンを還元したりする美白作用が期待されます。
アルガンオイルの成分の2つ目は、オレイン酸です。
アルガンオイルには多くのオレイン酸が含まれています。オレイン酸は、脂肪酸の中でも一価飽和脂肪酸に分類され、酸化しにくい特徴があります。血液中の悪玉コレステロール(LDL)を増加させず、善玉コレステロール(HDL)を減少させないことで血液の流れを良くし、動脈硬化や心臓病、高血圧の予防にも効果があります。また胃腸を整え、便秘解消にも効果が期待されます。
また、オレイン酸は、ヒトの皮脂の大きな割合を占めていることから、塗布すると肌馴染みがよく、浸透もスムーズです。肌を守るバリア機能を担い、乾燥、ごわつき、小じわから肌を守ります。
アルガンオイルの成分の3つ目は、リノレン酸・リノール酸です。
リノール酸・リノレン酸は、体内で生成できない必須脂肪酸と言われます。リノール酸は体のさまざまな細胞の細胞膜を作る物質、かつ、体の機能を調節するホルモンや神経伝達物質の元になる物質で、ヒトの成長と正常な生理機能を維持するために不可欠な成分です。「血を固める」という重要な役割もあり、食事から摂取することで血中内のコレステロールの低減や血圧や血糖値を下げる効果も確認されています。リノール酸は、角層内部の水分をつなぎとめる保湿機能と、肌の内部から水分蒸散を防いで外部刺激から守るバリア機能の2つを担うセラミドの構成要素です。肌への親和性が高く、肌から水分が蒸発して乾燥するのを防ぎ、肌をやわらかくふっくらさせます。
不飽和脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸 | オレイン酸 |
多価不飽和脂肪酸=必須脂肪酸 | リノール酸・リノレン酸 | |
飽和脂肪酸 | パルミチン酸・ステアリン酸 |
モロッコで古くからアルガンオイルを健康・美容・治療に利用してきたことが日本でも認知され、化粧品や健康食品など幅広く活用されています。ここでは、アルガンオイルの成分がもたらす効能について、以下の3つの観点から解説します。
それでは1つずつ、見ていきましょう。
アルガンオイルの成分がもたらす効能の1つ目は、スキンケア効果です。
アルガンオイルは、肌の皮脂に含まれている成分のひとつであるオイレン酸を含むため、肌への親和性が高く、角質層に深く浸透します。ベタつくのが苦手な方にも使いやすいオイルです。肌を守るバリア機能で、肌表面からの水分蒸発を抑えてうるおいを保ち、肌を柔らかくふっくらさせる効果があります。若返りのビタミンEは、肌の細胞を傷つけ、シミやしわを引き起こす活性酸素を除去することで肌を守るアンチエイジング効果が期待できます。また、血行促進作用と肌の新陳代謝を高めることでターンオーバーを正常化し、メラニンの排出を促すことで日焼けケアができます。
アルガンオイルの成分がもたらす効能の2つ目は、ヘアケア効果です。
肌と同様に毛髪も乾燥や日焼けによるダメージを受けています。カラーやパーマの化学薬品やドライヤーの熱によるダメージもあります。アルガンオイルは、頭皮や毛髪表面にバリアのように広がって、水分の蒸発を抑えることでうるおいを与える保湿効果があります。毛髪のダメージを修復しながら保湿されることで、毛髪は柔らかく滑らかになります。アルガンオイルを洗い流さないトリートメントとして塗布すれば、髪全体がまとまりやすくなります。頭皮の乾燥が気になるときには、頭皮にオイルをなじませてマッサージすることで、固くなった頭皮を柔らかくほぐし、うるおいが行き渡ります。
アルガンオイルの成分がもたらす効能の3つ目は、ダイエット効果です。
ビタミンEの1種であるγ-トコフェロールは、むくみを軽減する効果が期待されます。一般に、ヒトが塩分を多量に摂ると、塩分濃度を薄めるために体内に水分を保持することでむくんでしまいます。γ-トコフェロールは、ナトリウム量が多いときには、体外に排出させるように働き、むくみを解消してくれるのです。また、アルガンオイルに含まれるオレイン酸は、大腸の腸壁で潤滑油となり、摩擦を減らして排便をスムーズにします。またオイルが馴染んで便が柔らかくなることでも排便を助けてくれます。ビタミンEの自律神経のバランスを整える働きで腸の蠕動運動がスムーズになり、便秘解消につながります。アルガンオイルは食用を選び、ドレッシングやデザートソースとして、生でめしあがってください。
アルガンオイルとホホバオイル、どちらも美容オイルとして活用されているため、違いが分からない!という方もいらっしゃることでしょう。ここでは以下の2つの点から、その違いと、おすすめの使い方や注意点について解説します。
アルガンオイルとホホバオイルの成分の違いの1つ目は、主成分です。
アルガンオイルは、オイレン酸やリノール酸などの脂肪酸を主成分とし、グリセリンと脂肪酸のトリグリセリドを構成したオイルに分類されます。一方で、ホホバオイルの主成分は不飽和脂肪酸と不飽和アルコールとのエステルであるため、ワックス(ロウ)に分類されます。ホホバオイルとアルガンオイルは保湿の仕方にも違いがあります。オイルであるアルガンオイルは肌に浸透して保湿し、肌を軟らかくする効果があります。ワックスであるホホバオイルは浸透せず、肌表面にバリアを張り水分の蒸散を防いで保湿します。
アルガンオイルとホホバオイルの違いの2つ目は、オイレン酸の含有量です。
ホホバオイルのオレイン酸含有量はは約10%と言われていますが、アルガンオイルはその5倍の約50%に相当するオレイン酸が含まれています。オレイン酸は、皮脂の大きな割合を占めていることから、塗布すると肌馴染みがよく、浸透もスムーズです。肌を守るバリア機能を担い、乾燥・ごわつき・小じわから肌を守る機能があります。一方で、オイレン酸はアクネ菌のエサになるので、アルガンオイルがニキビを悪化させてしまう恐れがあります。アルガンオイルは、エイジングスキンケアが必要な年齢肌に、ホホバオイルは、普通肌から脂性肌、混合肌の方におすすめします。
「モロッコの黄金」といわれる希少な油アルガンオイルについて、その優れたスキンケア効果、ヘアケア効果、ダイエット効果を解説してきました。
オリーブオイルの4倍含まれる若返りのビタミンEは、抗酸化作用によるアンチエイジング機能があります。また、ホホバオイルとの大きな違いである豊富なオレイン酸は、元々皮脂の成分であることから肌馴染みよく、浸透もスムーズです。保湿効果で肌の内側からふっくらと柔らかくなり、乾燥が気になる毛髪・ボディ・ネイルのケアにも取り入れることができます。
アルガンオイルは、毎日のスキンケアに取り入れやすいアイテムです。季節やお肌の状態に合わせて、アルガンオイルを試してみませんか。
化粧品に含まれる着色料の影響とは?商品を選ぶポイントも解説
2024.11.30オリーブオイル化粧品の4つの効果!活用法や食用との違いも解説
2024.11.30OEMで化粧水を製造!メリットや流れなどをまとめて解説
2024.10.31お問い合わせはこちらまで