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自社ブランドでデオドラント製品を作ることで、独自の香りや成分にこだわった差別化が可能となり、ブランド価値の向上やリピーター獲得につながります。しかしOEMでの開発は、初めての方にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。
そこで今回は、デオドラント製品のOEM開発に必要な知識と開発の流れ、依頼先の選び方までをわかりやすく解説します。
Contents
OEMを検討する前に、デオドラント製品のOEMはどういったものかを、以下の3点に分けて解説します。
それぞれのポイントを、詳しくみていきましょう。
デオドラント製品とは、汗による体臭を抑えるために使われる製品です。消臭・殺菌成分が含まれており、汗をかいたときに発生するニオイの元となる菌の繁殖を防ぎます。
スプレーやロールオン、スティックなど、使いやすさや好みによって多様な種類があります。汗腺の働きを抑えるアルミニウム成分が含まれるものもありますが、近年では天然由来やオーガニック成分を使った、肌にやさしい製品も注目を集めています。
デオドラント製品に含まれる成分は、大きく分けて「制汗成分」と「殺菌成分」の2つがあります。
目的 | 主な成分 | 働き |
制汗成分 | ・クロルヒドロキシアルミニウム(ACH)
・パラフェノールスルホン酸亜鉛など |
発汗を抑える |
殺菌成分 | ・フェノキシイソプロピルアルコール
・ヒドロキシ安息香酸エステル類 ・塩化ベンゼトニウム ・プロピレングリコールなど |
ニオイの原因となる菌の繁殖を抑える |
それぞれの成分について詳しく解説します。
デオドラント製品に使用される制汗成分は、汗腺を引き締めることで発汗量を抑える働きをします。なかでもクロルヒドロキシアルミニウム(ACH)は、発汗時にゲル化して汗腺を閉塞するメカニズムがあり、刺激が少ないことから多くの制汗剤で使用されています。
パラフェノールスルホン酸亜鉛は収れん効果を持つ成分で、さっぱりとした使用感が特徴です。
デオドラント製品に使用される殺菌剤は、汗のニオイの原因となる菌を抑制するために欠かせない成分です。殺菌剤には微生物を死滅させる作用があり、製品の衛生状態を保つ役割も担っています。
使用される成分には、塩化ベンザルコニウムなどの第四級アンモニウム塩や、フェノール類、アルコール類、有機酸類などがあり、効果と安全性のバランスが求められます。皮膚への刺激が少なく、安定性の高い殺菌剤を選ぶことが重要です。
出典:制汗剤[antiperspirant]|日本化粧品技術会
デオドラント製品を開発するときには、どの種類を選ぶかも重要です。デオドラント製品は、使い方や特徴によって、以下の7種類に分けられます。
種類 | 特徴 |
スプレータイプ | ・広範囲に使えて速乾性が高い
・外出先やスポーツ時に手軽に使える |
ウォータータイプ | ・液体スプレーで清涼感が強く、さっぱりとした使用感
・運動後や暑い日に向く |
パウダータイプ | ・汗を吸収してサラサラ感をキープ
・ベタつきやすい部分の使用に向く |
スティックタイプ | ・手を汚さず塗りやすい
・携帯性に優れ、外出先でも手軽に使える定番タイプ |
クリームタイプ | ・保湿力があり肌にやさしい
・乾燥対策としても使える、密着性の高いタイプ |
ジェルタイプ | ・べたつかずサラッとした使用感
・清涼感があり夏場にも使いやすい |
ロールオンタイプ | ・ボールで直接塗布でき、ムラなく密着する
・長時間効果が続き、白残りしにくい |
自社ブランドのイメージに近いものや、使い方に合わせて選びましょう。
関連記事:OEMで香水を作る3つのポイントとは?スケジュールと費用感もご紹介
デオドラント製品をOEM開発するメリットには、以下の2つがあります。
1つずつ、詳しく見ていきましょう。
デオドラント製品をOEMで開発するメリットの1つが、コストの削減と早期の製品化です。自社で製造設備を整え、人材を確保して1から開発を行うには多大なコストと時間がかかります。
しかし、すでに実績とノウハウを持つOEMメーカーを活用すれば、初期投資を抑えつつ、短期間で市場投入が可能になります。トレンドの変化にも素早く対応でき、ビジネスチャンスを逃すことなく製品展開を進められるでしょう。
デオドラント製品をOEMで開発するメリットのひとつは、専門知識を持つOEMパートナーに製造を任せられる点です。医薬部外品としてデオドラント製品を製造するには、有効成分の選定や配合技術、安全性評価、申請に関する専門知識が求められます。
製品化までのノウハウを持つOEMメーカーであれば、初めて医薬部外品を手がける場合でも安心して製品開発が進められます。また、OEMメーカーは法規制への対応にも精通していることが多いため、企画から販売までをスムーズに進行できるのが強みです。
関連記事:パーソナラズ化粧品とは?注目の背景や市場環境も解説
デオドラント製品のOEMにかかる費用は、汎用処方の利用と新規開発の2つの方法があります。医薬部外品を扱うOEMメーカーは、すでに医薬部外品として認証されている汎用処方を持っているケースも多くあります。
汎用処方を活用して、香料や粘度といった細かい調整のみを行う場合は、比較的低コストで製品化できるでしょう。
一方で、新たに処方を開発して医薬部外品として申請する場合は、申請費用だけでも20〜30万円程度かかると言われます。また、開発を終えて製品化するまでには、1,000万〜3,000万円程度かかるのが一般的です。
開発には研究期間や試作、申請書類の作成、治験データの取得なども含まれるため、高額になることは理解しておきましょう。
デオドラント製品をOEMで製造するときには、以下の流れで進めていきます。
各工程の内容を、詳しく解説していきます。
デオドラント製品のOEMは、まず「商品コンセプトの決定」からスタートします。性別・年齢層・使用シーンといった製品のターゲット市場を明確にし、「誰に」「どんな場面」で使ってもらいたい製品なのかを明確にしていきましょう。
あわせて、無香料か香り付きか、天然由来か、敏感肌向けなのかなどの詳細を詰めていきます。商品コンセプトが固まることで、デオドラントの種類やパッケージデザインなど、製品全体の方向性を決めていくことが可能です。
商品コンセプトが決まったあとは、処方開発と試作の段階へと進みます。汗やニオイ対策に効果的な成分を選定し、要望に合わせた処方設計が行われます。
まずは試作品を製造し、使用感・香り・テクスチャー・持続性などを確認しながら改良を重ねていきます。同時に、肌への刺激がないかなど安全性テストを実施して、問題なく使用できる品質を確保することも大切です。試作と調整を繰り返しながら、商品の完成度を高めていく段階です。
デオドラント製品のOEMにおける「容器・パッケージの選定」は、販売チャネルやターゲットに合った形状・仕様を決める重要な工程です。スプレー・スティック・ロールオンなど、使用感や携帯性を考慮しながら決めていきましょう。
また、容器素材と安定性や変質防止といった中身との相性も確認する必要があります。この段階で、デザインやロゴ、色使いなどのブランディング要素も検討し、消費者に選ばれる魅力あるパッケージを作りましょう。
デオドラント製品のOEMにおける「製造・充填」の工程では、発注書をもとに原料の手配や製造スケジュールを調整していきます。薬機法に基づく申請が必要な場合は、OEMメーカーに申請代行を依頼することも可能です。
国内製造は品質管理や納期の面で信頼性が高く、海外製造はコストを抑えやすいという特徴があります。
デオドラント製品のOEMにおける「品質管理と検査」は、安全で高品質な製品を提供するために欠かせない工程です。製造後は、製品の外観・内容量・成分濃度などを検査し、基準を満たしているかを確認していきます。
また、使用テストや安定性試験を実施して、長期間の保存や使用において成分の変質や効果の低下がないかを評価していくことも大切です。製造工場への立会いも可能で、透明性の高い品質管理体制が整っているOEMメーカーも多くあります。
製品完成後に検品・梱包を経たのち、出荷されます。納品後は、ECサイトでのネット販売や店頭でのリアル販売など、販売チャネルに応じた戦略を行いましょう。ECサイトではパッケージデザインや商品説明が購買意欲を左右するため、ブランディングしていくことも大切です。
一方で、店舗販売では、陳列のしやすさやPOPとの相性などが重視されます。OEMメーカーによっては販売開始まで一貫してサポートすることも可能です。
関連記事:肌にやさしい!無添加化粧品OEMのメリット・デメリットとフリー10項目を解説
デオドラント製品のOEM依頼先を選ぶときには、以下の5つのポイントを押さえましょう。
海外向けのサポートはあるか
それぞれについて、詳しく解説していきます。
デオドラント製品のOEM依頼先を選ぶときには、そのメーカーがデオドラントや医薬部外品の製造が得意分野かを確認することが重要です。OEMメーカーは、スキンケアやヘアケアなど得意分野が企業によって異なるため、すべての製品を一社に任せるのはリスクとなることもあります。
特に、小ロット製造を希望する場合は、実績や対応力のある企業を慎重に見極めましょう。製品ごとに適したOEM先を選ぶことで、品質の高い商品づくりにつながります。
デオドラント製品のOEMを依頼するときには、依頼先に十分な技術力があるかを見極めることが重要です。特にニオイ対策や制汗効果など専門性の高い処方には、実績や独自技術が求められます。
難易度の高い製品開発では、希望する品質や機能にOEM側の技術が追いつかないことも珍しくありません。長期的なパートナーとして信頼できるOEMメーカーかどうかを含め、開発力や研究体制を事前に確認しましょう。
デオドラント製品のOEM依頼先を選ぶときに、「要望への対応力」があるかを見極めることも重要です。特に小ロットでの製造を希望する場合、その対応が可能かどうか、またどの程度まで要望に応じた製品開発ができるかは、コストや納期に大きく関わります。
また、ホームページには「対応可能」と記載があっても、実際には製造が難しいケースも少なくありません。最初の打ち合わせで、小ロットの対応範囲や費用感を確認し、不要なコストを抑えましょう。
デオドラント製品のOEM依頼先を選ぶときには、トラブル対応力があるかどうかも重要な判断基準です。製品の不良や納期の遅れなど、万が一のトラブル発生時に、迅速かつ丁寧に対応してくれる体制が整っているかどうかで、信頼性は大きく変わります。
OEMメーカーごとに品質管理の体制やサポート内容は異なるため、事前に対応フローやサポート窓口の有無を確認しておきましょう。安心して取引を続けるためにも、対応力の高いパートナーを選ぶことが大切です。
デオドラント製品のOEM依頼先を選ぶときには、海外向けのサポート体制があるかも重要なポイントです。近年では越境ECの普及により、海外市場への展開を視野に入れる企業も増えています。
しかし、化粧品の成分規制や表示ルールは国や地域によって異なるため、現地の基準に適合した商品開発は不可欠です。海外向け製品の実績や輸出経験を持つOEMメーカーであれば、販路拡大や輸出手続きに関する具体的なサポートも受けられます。安心して海外展開を進めたいときには、海外向けの製品を開発したことのあるメーカーに依頼しましょう。
デオドラント製品のOEM開発は、コンセプト設計から始まり、処方開発、パッケージ選定、製造・品質管理、納品まで多くのステップを経て完成します。各工程での選択や判断が最終的な商品の魅力や品質に大きく影響するため、信頼できるパートナーとしっかり連携を取ることが大切です。
特に初めてOEMを依頼する方は、実績や対応力、サポート体制を持つメーカーを選びましょう。
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