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無添加化粧品は、消費者の肌トラブルを避けたいという予防意識や、自然環境に良い商品を選びたいというサステナブル志向から、ニーズが強くなっています。無添加化粧品とは、特定の成分を配合しない化粧品を指しますが、スキンケアやヘアケア、メイクアップ化粧品まで多様な製品が市販されています。無添加と記載されているだけで「よい化粧品」というわけではなく、自分の体質や肌の状態に合った無添加化粧品を選ぶことが重要です。肌が敏感になっていると感じる場合や、どの成分に反応するか確認したいときは、パッチテストで確認する方法もあります。
無添加化粧品は、製剤化技術のあるOEMメーカーに製造を委託し、オリジナルブランドで販売することが可能です。この記事では、無添加化粧品の特徴と市場ニーズの背景、無添加化粧品の使用者・販売者それぞれのメリット・デメリット、無添加化粧品を実現するための対策、無添加成分と求められる理由、無添加化粧品の商品開発のポイントについて詳しく解説します。
Contents
無添加化粧品は、特定の成分を配合しない化粧品を指し、スキンケアやヘアケア、メイクアップ化粧品など多様な製品が市販されています。ここでは、無添加化粧品がどのようなものか、そして無添加化粧品のニーズの背景について詳しく解説します。
無添加化粧品とは、特定の成分を使用していないことを公表している化粧品のことをいいます。無添加化粧品には明確な定義はなく、各製造販売元が独自に定めたものです。
かつては、厚生労働省が指定する成分のみを表示する義務があったため、表示指定成分を使用していない化粧品を「無添加化粧品」と呼んでいました。しかし、2001年に化粧品の規制緩和が実施され、現在では化粧品に配合している全成分の表示が義務付けられています。このため、無添加化粧品の明確な定義はなくなり、各社の判断による公表となっています。
消費者は「無添加」の表示を安心して商品を選ぶポイントの一つとしています。無添加化粧品が注目される理由は、安全性の確保や肌トラブルの予防にあります。肌荒れやトラブルの多い成分を避けたいという意識から、無添加化粧品を好む消費者が増えています。
さらに、自然環境に優しく負荷をかけない商品を選びたいというサステナブル志向も強まっており、エシカル消費やクリーンビューティを求める動きが化粧品の選択にも影響しています。企業側も社会的責任を果たすためにサステナブルな原料を選択する傾向があり、無添加化粧品のニーズの高まりに繋がっています。
無添加化粧品は、特定の成分を使用していないという特徴があります。ここでは、無添加化粧品を使用するメリットとデメリットについて解説します。
無添加化粧品を使用するメリットは、アレルギーや肌ストレスを引き起こす可能性のある成分を軽減することで、肌が持つ本来の機能を発揮できることです。敏感肌の方を含め、すべての肌タイプの方にとって、無添加化粧品を使うことで肌へのダメージが少なくなり、安心して使用できます。肌が健康であれば、化粧品に配合された美容成分がしっかりと肌に働きかけることが期待できます。無添加化粧品は、すべての肌タイプの方におすすめです。
無添加化粧品にはいくつかのデメリットもあります。まず、防腐剤が無添加のものは使用期限が短いため、早めに使い切る必要があります。また、原材料や使用期限に制限があるため、価格が高くなりがちです。さらに、合成香料が無添加の化粧品は、豊かな香りによるリラックス効果が減り、不満に感じることもあるかもしれません。これらのデメリットは、顧客にとっての商品価値の減少に繋がるため、注意が必要です。
無添加化粧品は、特定の成分を使用していないという特徴があります。ここでは、無添加化粧品を販売するメリットとデメリットについて解説します。
無添加化粧品を販売することには、いくつかのメリットがあります。まず、使用する原料を慎重に選び、その判断を公表することで、ブランドの独自性を示すことができます。これにより、消費者に製品への信頼感を与え、他の商品との差別化が図れます。
さらに、無添加化粧品は、安全性や自然環境への配慮が求められる現代のニーズに応えることができるため、多くの消費者に支持される可能性があります。
無添加化粧品を販売する際には、いくつかのデメリットを考慮する必要があります。まず、防腐剤が無添加の場合、使用期限が短くなるため、計画的に商品を販売する強い販売力が求められます。また、消費者は無添加の良さに気づきにくいことがあります。さらに、使用できる原料が制限されるため、使用感やリラックス効果など、顧客満足度の高い製品開発に支障が出る可能性があります。これらの点を理解し、安全で、豊かな使用感が得られる製品をつくる製剤化技術や、商品価値を的確に伝える販売戦略を立てることが成功の鍵となります。
無添加化粧品は特定成分を配合していないため、安全に使い終えるための工夫が必要です。ここでは、使い方を丁寧に説明することと、容器を工夫することの重要性について解説します。
無添加化粧品を販売する際には、無添加成分と商品の正しい使い方を丁寧に説明することが重要です。例えば、防腐剤フリーの製品の場合、品質が安定している期間が3年未満であれば、使用期限を外装に表示する必要があります。また、開封年月をいつでも確認できるよう工夫することで、消費者に適切な使用期間を知らせることができます。
さらに、期待していた商品と使用感や色味が異なるというトラブルを防ぐために、対面やインターネット販売など、販売方法に応じた説明を行うことが大切です。顧客に安心して使用してもらえるよう配慮することが、無添加化粧品の信頼性を高めるポイントとなります。
防腐剤無添加の化粧品を製造する場合、その特性を考慮して容器にも工夫が必要です。例えば、小型のエアレス密閉容器を使用することで、内容物が空気に触れにくくなり、品質を保持することができます。また、使用時に内容物に直接触れない容器を選ぶことも重要です。このような容器の工夫により、製品の安全性と使いやすさを両立させることができます。
無添加化粧品とは、特定の成分を使用していない化粧品のことで、各製造販売元が独自に定めたものです。化粧品成分は、体質や肌状態によってアレルギー反応を引き起こし、かゆみや赤み、かぶれなどの症状を起こすことがあります。ここでは、無添加化粧品として使用されていないことが明示される主な10種類の成分について解説します。
化粧品に配合されるアルコールとは、一般的に「エタノール」を指しています。医薬部外品では表示名が変わり、「無水エタノール」と記載されます。
エタノールは、体質によっては肌に赤みやかゆみを引き起こす可能性があります。また、揮発することで肌の乾燥や刺激を引き起こすことがあり、エタノールの揮発による清涼感自体を刺激と感じる方もいます。
オリジナル化粧品をエタノール無添加にすることで、より多くの消費者に安心して使っていただける製品を提供することができます。
パラベンは、化粧品に広く使用され、少量で防腐効果のある代表的な防腐剤ですが、アレルギー反応や肌ストレスの原因となる可能性があります。パラベンは総称で実際には複数の種類があり、刺激性に差があります。ブチルパラベンが最も刺激が強く、次いでプロピルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベンの順に刺激が弱くなります。
パラベンを無添加にすることで、肌トラブルのリスクを回避できますが、製品の品質を維持するためには、他の防腐剤や防腐効果のある成分で補う必要があります。
防腐剤は、化粧品の製造時や消費者による使用中の微生物汚染を防ぎ、製品の品質を保持するために重要な役割を果たします。防腐剤は、配合制限成分(ポジティブリスト)に収載されている成分のみを指します。
防腐剤にはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。代表的な防腐剤には、メチルパラベン、エチルパラベン、フェノキシエタノール、安息香酸塩、ヒノキチオールなどがあります。防腐作用があってもリストにない成分は防腐剤に該当しません。
化粧品の種類や配合成分、容器形態、使用方法によって必要な防腐効果は異なります。防腐剤無添加化粧品の開発には、豊富な知見と実績のあるOEMメーカーに任せ、製品の安全性を確保しなければなりません。
関連記事:化粧品の防腐剤に危険性はある?一般的な種類と安全性についても解説
紫外線吸収剤は、紫外線による影響から肌や毛髪を守るために化粧品に配合される成分で、厚生労働省が定めたポジティブリストに収載されている成分のみを指します。ファンデーションなどのメイクアップ製品やUV乳液などのスキンケア製品、ヘアスプレーなどに広く使用されています。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して肌を守るため、体質によってはアレルギー反応を引き起こすことがあります。紫外線吸収剤不使用のUV化粧品は紫外線散乱剤を使用し、「ノンケミカル処方」と表示されることもあります。紫外線散乱剤は、紫外線を反射・散乱させるため、肌への刺激が少ないとされており、敏感肌やアレルギー体質の方におすすめです。
香料とは、化粧品に香りをつけたり、原料による臭いを隠したりするために使用される成分です。香料は、香水、スキンケア製品、ヘアケア製品など、幅広い製品に使用されています。
合成香料に含まれる化学物質には、アレルギーのリスクを懸念する声もあります。製品に目的の香りを生み出すために、化学的に合成された合成香料や天然香料を複数組み合わせて使用することが一般的です。製品の全成分表示には個別の成分名は記載されず、単に「香料」と表示されます。このため、敏感肌やアレルギー体質の方にはリスクが伴います。
関連記事:OEMで香水を作る3つのポイントとは?スケジュールと費用感もご紹介
合成色素とは、製品や皮膚に色をつけるために用いられる成分です。過去には、合成色素やその原料に含まれていた不純物によって肌トラブルが社会的な問題になったことがあります。また、着色剤のうち、有機合成色素(タール色素)はアレルギー反応を引き起こす可能性が懸念されており、厚生労働省が化粧品に使用できるタール色素について定めています(医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令)。
現在では、安全性を重視するニーズや自然由来成分が肌に優しいという製品コンセプトから、天然色素(β-カロチン、クチナシ青など)を代替原料として使用することがあります。
シリコンは、アレルギー性がほとんどなく、化粧品への配合や通常の使用において安全性に問題のない成分とされています。化粧品にはシクロメチコンやジメチコンなどと表示され、スキンケア製品やヘアケア製品などに幅広く使用されています。
しかし、シリコンの性質上、洗顔で落としにくいため、強いクレンジングが必要になることがあります。このため、肌に負担をかけると考える方や、クレンジングをしない男性用化粧品には不向きとの意見もあります。オリジナル化粧品の製造を検討する際には、シリコンの特性と消費者のニーズを考慮して、最適な成分を選ぶことが重要です。
合成界面活性剤は、天然系合成界面活性剤と石油系合成界面活性剤に分けられます。石油系合成界面活性剤は、その名のとおり石油から作られています。界面活性剤は油性成分と水溶性成分をなじませる性質があり、クリームなどのスキンケア製品やシャンプーなどの洗浄剤に不可欠な成分です。
しかし、石油系合成界面活性剤は微生物の働きで自然に還る生分解性が低く、環境への影響が懸念されています。また、一部の石油系合成界面活性剤については肌への刺激性が指摘されています。肌トラブルの予防や環境に配慮したエシカル志向から、石油系合成界面活性剤無添加のニーズが高まっています。
ミネラルオイルやワセリンなどの鉱物油は、石油由来で安定性が非常に高いオイル成分です。クレンジングやクリーム、オイル製品、メイクアップ製品に広く使用されています。過去には、不純物を多く含む鉱物油を配合した化粧品による肌トラブルがあったため、鉱物油は肌に悪いと懸念する方もいました。しかし、精製技術の進歩により、現在では安全性が高いとされています。また、アレルギー反応もほとんどないと考えられています。
なお、クレンジング剤では肌の皮脂などの保湿成分まで洗い流してしまい、乾燥の原因になると考える方もいます。オリジナル化粧品を製造する際には、ターゲット層のニーズに応じた成分を選択し、丁寧に使い方を説明することが重要です。
サルフェートとは、硫酸塩をはじめとする硫酸系化合物のことです。代表的な化粧品成分にはラウレス硫酸ナトリウムがあり、主に洗浄剤に使用されています。洗顔料やシャンプー、ボディソープに使用されることが多く、その洗浄力の強さが特徴ですが、刺激を感じる方もいます。特に敏感肌や髪のダメージが気になる方には不向きな成分です。
オリジナル化粧品を製造する際には、ターゲット層に合わせた成分の選択が重要です。サルフェートを使用しない処方や、サルフェートの影響を緩和する両性イオン系界面活性剤を合わせて配合することで、より多くの消費者に安心して使用いただける製品を提供できます。
無添加化粧品は、通常化粧品に使用される成分の一部を配合しない製品であるから、アレルギー反応のリスクを低減した商品を提供できるメリットと同時に、消費者は無添加の良さに気づきにくいことがあります。ここでは、無添加化粧品の商品開発のポイントを4つ解説します。
オリジナル化粧品をつくる際には、まずコンセプト作りが重要です。例えば、敏感肌向けボタニカル化粧品など、ターゲット層を明確に設定する必要があります。そして、そのターゲット層に適したアイテムを選びます。また、競合品との差別化も考慮すべきポイントです。例えば、ボタニカル化粧品であれば、植物由来成分で構成したシンプルなスキンケアシリーズや環境に配慮したパッケージを採用するなど、独自の魅力を打ち出すことが重要です。こうしたコンセプト作りにより、消費者にとって魅力的な製品を提供することができます。
オリジナル化粧品の製造においては、まずコンセプトに基づいて美容成分を決定することが重要です。ターゲットとする消費者層や販売チャネル、広告媒体に合わせた特徴的な成分を選びます。例えば、敏感肌向けのボタニカル化粧品であれば、ユズセラミドやグルコシルセラミドなどの保湿成分が適しています。また、カミツレ花エキスによるアレルギーの抑制作用やダマスクバラ花エキスによる賦香など天然由来の成分を使用することが求められます。こうした成分の選定により、製品の魅力を高め、消費者にアピールすることができます。
オリジナル化粧品の製造においては、コンセプトやターゲット層に基づいて、配合しない無添加成分を決定することが重要です。例えば、敏感肌向けのスキンケア商品であれば、アルコールや合成香料を避けることが求められます。また、UV乳液であれば、紫外線吸収剤や合成着色料、合成香料などのアレルギーリスクのある成分を排除することが必要です。こうした無添加成分の選定により、肌トラブルのリスクを低減し、信頼性を高め、消費者に安心して使用していただける製品を提供することができます。
オリジナル化粧品の製造において、容器の選定は非常に重要です。コンセプトに合ったデザインや機能を持つ容器を選ぶ必要があります。例えば、防腐剤の一つであるパラベンフリーの製品には、内容物が直接手に触れず、外気にも触れにくいエアレス容器が適しています。これにより、パラベンに代わる防腐剤の配合量を低く抑えながら、製品の品質を保つことができます。
また、レフィル対応容器を採用し、交換用カートリッジタイプを選ぶことで、内容物に触れずに雑菌の混入リスクを避けることができます。環境に配慮した容器を使用することで、エシカル志向の消費者にもアピールできます。
無添加化粧品は、消費者の肌トラブルを避けたいという予防意識や、自然環境に良い商品を選びたいというサステナブル志向から、化粧品の選択にも影響し、ニーズが強くなっています。一方で、特定の成分を配合しない無添加化粧品においても、使用期限内の品質の安定と安全性を保証されなければなりません。無添加化粧品は、製剤化技術のあるOEMメーカーに製造を委託し、オリジナルブランドで販売することが可能です。
株式会社OEMは、スキンケアからメイクアップ化粧品、ボディ・ヘア・オーラルケア、サプリメントなど幅広く美容・ヘルスケアの商品開発・製造の実績があります。医薬部外品化粧品やドクターズコスメ、サロン専売品の実績もございます。また、事業を海外へ展開する場合の貿易・契約書関連、販促サポートも可能です。
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