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ロングセラー化粧品の具体的な商品名を聞くと、誰もが一度は使ったことがあるものも多いのではないでしょうか。自社ブランドにロングセラー化粧品を持つことは誇りであり、事業の長期間の安定にもつながるでしょう。
そこで本記事では、ロングセラー化粧品について、どのような特徴があるのか、買い続けたくなる理由と、目指し方を解説します。
Contents
ロングセラーとなる化粧品の主な特徴として、以下の4つを挙げて紹介します。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
特徴の1つ目は、その名のとおり長年売れ続けていることです。
明治時代、日本の近代化のさなかに創業した化粧品会社が1897年に発売したふきとり用化粧水は、世代を超えて親しまれ、現在も売れ続けています。ブランドの歴史の象徴であるその化粧水は、創業150周年を記念した限定パッケージ品が発売されたことでも話題になりました。子供の頃に鏡台に置かれた瓶を懐かしく思いながら、現在も愛用している方がいるのです。また、発売当初とほとんど変わらない外観と確かな品質で信頼を維持しながら、20~30年と長期にわたって人気を得ている商品もあります。ロングセラー化粧品は何年も売れている、というのが特徴の1つといえます。
特徴の2つ目は、時代に合わせた変化をしていることです。
販売が好調で、既存顧客のついているロングセラー商品の中には、3~5年ごとにリニューアルをしているものも多いです。商品を愛用している既存顧客が化粧品に飽きて離れてしまうことがないように、現状の結果に満足せずに、消費者から見えないところでも改善を積み重ねているのです。たとえば、新たな美容成分を取り入れて機能を強化したり、防腐効果を損なわずに肌刺激を低減したり、多くの方の肌に合う配合に変更するなどの改良があります。さらに、環境問題への対応のために、詰替え容器やサスティナブルな容器に変更する商品もあるでしょう。ロングセラー化粧品は、過去に一度ヒット商品になったとしても、それに甘んじずに商品の改善を重ねています。そうすることで、継続して愛用されることはもちろん、新たなファンを獲得し、成長し続けているのです。
特徴の3つ目は、完全なオリジナルであることです。
今まで残ったロングセラーは完全なオリジナルのものがほとんどです。他がまねしても、その人気を越えられません。たとえば、「魔法の筆ペン」と呼ばれる、発売から25年以上経っても、なお名品と言われるロングセラーのコンシーラーがあります。それは、クマやシミを隠すコンシーラーの機能だけでなく、光を与えるハイライトとしての機能性も持ち合わせています。また、筆ペンタイプで、いつでも外出先でも手を汚さずに化粧直しができる利便性にも人気があります。これを真似た類似のアイテムが発売されても、このオリジナルを超えることはできないでしょう。ロングセラーとなる化粧品を、他がまねても結局はオリジナルが残ります。
特徴の4つ目は、ファンが多いことです。
ロングセラー化粧品には、根強いファンが付いています。その理由として、どんな悩みにでもある程度対応している機能性であったり、あらゆるものに一定の効果がありそう、と思わせてくれる商品があるからです。この化粧品を使えば一定の効果を感じられるため、毎日使いたい、と思わせてくれるでしょう。また中には、シミ・くすみなど自分の弱点に届く効果を感じる化粧品もあります。この商品を使えば間違いないため、ここぞとばかりのシーンに使いたいと思うファンもいます。
ロングセラー化粧品を消費者が買い続けたくなる理由として、以下の4つを挙げて説明します。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
理由の1つ目は、コストパフォーマンスが良いことです。
使ってみて突出した効果は感じられないけど、肌トラブルもなく値段も安いなど、コスパの良さを感じてこれからも使い続けたい、と思う方も多くいます。一方で、価格が高価でも、自分の肌に合っていて十分な効果を感じられるからこそ使い続けたい、というファンもいます。価格と期待に見合った効果があることがロングセラー化粧品を買い続ける理由です。
理由の2つ目は、自分にあっていることです。
「自分にあっている」という理由は消費者によって違います。たとえば「トロッとしたテクスチャー」「しっとりしすぎない」といった使用感が気に入っているという点、肌のシワ・乾燥肌・ニキビ・くすみなど自分が弱点と思っているところにしっかりと効いてくれる、など、その人の好みや悩みに応じて変わるでしょう。また目立った効果はないけれども、ピリピリしなくて、なんとなく使い続けやすい、肌に悪影響ないから使い続けたい、という方もいます。一度使って、自分に合っていると感じたら、消費者は「また買いたい」と思うでしょう。化粧品は、ほぼ毎日使うものです。特に、スキンケア化粧品は就寝前のリラックスした気分、自分を労わるようにケアするために使うこともあるため、自ずと自分に合ったものを使いたいものです。
ロングセラー化粧品を消費者が買い続けたくなる理由の3つ目は、デザインが気に入っていることです。
化粧品は普段目にすることの多いものだからこそ、気に入ったデザインのものをまた買いたい、使い続けたいと思うこともあります。スキンケア化粧品は生活空間に陳列されて目に入りますし、メイクアップアイテムは持ち歩いて人の目に触れることもあります。高級感漂う深紅のガラス瓶に入った化粧水にワクワクすることも、ストレイトボトルの透明な化粧水に落ち着いた気分になることもあり、デザインに求めることは 消費者によって様々です。商品パッケージや容器デザインを気に入ることも、買い続けたくなる大切な理由です。
理由の4つ目は、普遍的な魅力を感じる商品であることです。
たとえば、この商品なら間違いないと思わせてくれる、万能性があると思わせてくれるなど、消費者の生活環境や肌の質が変わったとしても、ロングセラー化粧品にはずっと使い続けたいと思う普遍的な不思議な魅力があります。1980年に発売され、世界中の数百万人の女性に愛されている化粧水があります。それは、特別な酵母の株から独自のプロセスで発酵させ生み出した天然由来の保湿成分を90%以上も配合した特別な化粧水です。この化粧水には、化粧水が肌の奥まで浸透し、肌が蘇ったという賛辞が寄せられています。化粧品の口コミサイトで何度もベスト化粧水を受賞し殿堂入りを果たしたこの化粧水は、消費者が買い続けたくなる普遍的な魅力を感じる商品です。
ここまで、ロングセラー化粧品の特徴と消費者が気に入っている理由について説明しました。それでは、作る側はどのようにロングセラー化粧品を目指したらよいでしょうか。ここでは、以下の3つの観点について説明します。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
ロングセラー化粧品を目指すには、あなたが「本当に良い」と思える質の良い商品を作りましょう。
1988年に日本初の医薬部外品の美白有効成分として承認を得た「コウジ酸」を含む美白化粧品シリーズは、長い年数をかけて質の良いものを追い求めた結果、30年ものロングセラー化粧品に輝きました。承認までに13年もの研究期間を要しただけでなく、承認後も研究を続け、130種類以上もの成分を開発するなど、進化しています。これから化粧品を開発・販売する際、「大ヒットしたい!」と考える方も多いと思います、しかし、一時的な売上げを目指すのではなく、既存顧客の声に真摯に耳を傾け、質の良いものを作ることが大切です。独自成分を配合する、機能性成分を高配合する、複数の機能性成分が最大限の効果をもたらすなどさまざまな工夫がありますが、ベストな配合を見つけ出してあなたが本当に良い、と思った化粧品、リリース後もさらに良い物を求めて改良を続けていく商品は、消費者からも信頼を置かれることでしょう。
ロングセラー化粧品を目指すには、適正価格で販売しましょう。
事業継続には、様々な経費がかかります。仕入れ費用だけでなく、配送費用や宣伝広告費など変動コストもあります。だからといって、粗利を多く獲得するために商品単価を高く設定し売上を大きく伸ばしたいと、収益を優先してはいけません。市場調査をして適正価格を設定しましょう。一般にスキンケアの化粧水は価格が低めで、美容液やクリームは高価格帯の傾向にあります。クレンジングの2022年ベストコスメの受賞商品は1万円台でしたが、クリームの高機能化粧品では10万円を超えるものもありました。カテゴリ・ターゲティングの年齢設定・競合品など、様々な要因から価格設定を検討する必要があります。
ロングセラー化粧品を目指すには、改善を繰り返しましょう。
販売前でなく、販売後も継続しながら改善していくことが大切です。上述したように、ロングセラー化粧品の中には、消費者の見えないところで、3~5年ごとに改善をしている商品もあります。経営基盤となる既存顧客が離れてしまうことのないように、細心の注意を払い、改善を積み重ねているのです。化粧品を発売した後、競合社の新商品の発売が続き、自社製品は見劣りしていくことでしょう。そのようなとき、消費者が求めていることに目を向けるなど、時代の変化に合わせて商品を改良することが大切です。消費者は今、どのような悩みを持っているかを見つめて、成分・パッケージ・使用感など化粧品に見直すところはないかを検討しましょう。また消費者にとって使いやすい商品か、手に取りやすいかを販売後も常に考えていく必要があります。改善を繰り返すことで、既存顧客から長年継続して愛用されるとともに、新たなファンを獲得でき、ロングセラー化粧品に成長するでしょう。
本記事では、ロングセラー化粧品の特徴、なぜ消費者が買い続けたくなるのか、ロングセラー化粧品への目指し方について解説しました。ロングセラー化粧品を目指すには、あなたが本当に良いと思った質の良いものを作ること、適性価格で販売すること、販売を継続しながら改善を繰り返すことが大切です。化粧品を開発する際は、作って終わりなく、時代で変化する消費者のニーズに合わせて改良を続けていくことが大切です。
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