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クリニックがサプリメントを販売するメリットとは?
クリニックが扱うサプリメントはどんなものがある?
初めてのオリジナルサプリメント、開発・製造の段取りとは?
市販のサプリメントには、食生活の偏りから栄養不足になっている方へ栄養を補給する機能や、積極的なケアのための機能性表示食品や栄養機能食品、特定保健用食品などがあります。一方で、サプリメントは、医師や専門家による新しい知見を基にオリジナルの商品展開ができます。クリニック独自のサプリメントを持つことは、顧客の獲得・離反防止、顧客単価の向上につながり、クリニック経営の安定に貢献します。オリジナルサプリメントは、サプリメントOEMメーカーに開発・製造を委託し、販売できます。
この記事では、クリニックがサプリメント・健康食品を導入する際の注意点、開発・製造の進行・フロー、サプリメントの商品開発例9種について、わかりやすく解説します。
Contents
サプリメントは一般食品として扱われ、医薬品とは異なる法令で規定されています。そのため、製造や販売、広告の際には特別な注意が必要です。ここでは、クリニックがオリジナルサプリメントやドクターズサプリメントを製造・販売・広告を行う際に気をつける5つのポイントをわかりやすく解説します。
サプリメントを開発・販売する場合、医薬品成分の使用は避けなければなりません。使用しようと考えている成分や原材料が医薬品成分に当たらないこと、医薬品成分が含まれていないことを確認することが重要です。海外でサプリメントに使われている成分・原材料でも、日本では医薬品成分に分類されることがありますので注意が必要です。これらの成分は、サプリメント・食品には使用できません。また、日本の法律で認められていない製法や原材料を使った製品は、食品として販売ができません。
サプリメントの販売に許可や資格制度はありません。医療機関がサプリメント等の食品の販売を行うことは、療養の向上を目的として行われる限り可能とされています。
しかし、販売者として表示し、インターネット等を通じて不特定多数に販売を行うことは、医療機関とは無関係な別法人を設立し、この別法人が行う必要があります。一般的には、メディカルサービスを提供する一般法人(MS法人)によって運営されています。
参考:厚生労働省医政局総務課 医療機関におけるコンタクトレンズ等の医療機器やサプリメント等の食品の販売について
サプリメントは「いわゆる健康食品」と分類され、栄養補給や健康の維持を目的としています。表示や広告においては、医薬品と誤認される効能効果の記載は禁止されています。病気の治療や予防効果を示唆するような表現は「医薬品」と判断され、医薬品としての承認が必要です。特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品は、法令が定める範囲で効能効果や機能性の表示が可能です。
サプリメントの表示・広告の内容は、医薬品医療機器等法(*1)、食品表示法、食品衛生法、健康増進法、景品表示法などの制約を受けます。対象となる表示・広告方法には、製品の容器・包装のほか、チラシ・体験談集、口頭の説明など多岐にわたります。
*1 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
参考:健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について
オリジナル処方のサプリメントを開発する場合、最も少量の完成品を製造する最小ロット、最も効率的に完成品を製造する経済ロットなど、ロットは原材料、剤型、容器や包装材によって異なります。一般的に製造量が少なく、ロットが小さいほど仕入れ単価は高くなります。
医薬品と異なり、サプリメントは、賞味期限を設定・表示します。例えば賞味期限2年の製品の場合は、製造から1年半程度で売り切ることが望ましく、自社の販売力・販売計画に基づいて、適切なロットを試算します。段階的に販売量を増やすことを見据え、ロット別単価を把握しておくことも重要です。
また、サプリメントのバルク(成分・配合量の設計)が共通で、ラベル・包装仕様をデザイン支給することによって、小ロットでオリジナルサプリメントを調達する方法もあります。
クリニック向けサプリメントの納品形態は多様です。調剤薬局やクリニックなど施設内に分包機がある場合や通販などの販売方法によって、納品形態を選択できます。
ホワイトラベル:サプリメントバルク(成分・配合量の設計)が共通で、一定の範囲から容器・ラベルデザインを選択でき、バルク充填・ラベル貼りの上、完成品の納品を受けるものです。オリジナルのロゴや販売者表示ができます。サプリメントの独自性はありませんが、まずは在庫リスクの低い、小量から販売を始めることができます。
バルク販売:サプリメントを粒状・バルクで納品を受けるものです。調剤薬局やクリニック内の分包機で個包装ができます。
カスタムフォーミュラ:オーダーメイドで、粒の形状・サイズ、成分・配合、容器・包装仕様まで、オリジナルサプリメントを作ることができます。メディカルサプリメントとして、複数種類のサプリメントを1包に個包装したり、PTPシートに包装したり、付加価値のある包装が可能です。
クリニックサプリメントをOEM製造する場合、問合せを行ってから納品まで、一般的な開発・商談の進行を解説します。
商品のイメージ・特徴、配合したい成分・原材料・剤型、販売方法や納品形態、仕入れ価格、ベンチマーク品について、OEMメーカーへ要望を伝えます。支給原料については、工場によって受け入れ基準があります。原料メーカーから取り寄せた品質規格書・製造工程表・MSDSなどを示して支給可否を協議します。
OEMメーカーは、打合せに基づいて、原料選定から商品設計(原材料の配合・剤型・容量など)の提案を行います。提案に対しては、ベンチマーク品・競合品を踏まえ、広告表現を見据えた売りやすい商品設計がなされているか検討します。取引条件では、概算価格・ロットから取引額が自社に適切かを勘案します。また、栄養機能食品・機能性表示食品・強調表示に該当する場合、成分分析や申請の要否、発注から納品までの期間(リードタイム)を確認し、販売計画と調整します。
試作品は、合意された製品設計に基づいてラボ機、または実機で製造されます。試作品の評価を行い、問題がなければ包装仕様を決定し、見積書を受けとります。必要に応じて、最終製品形態での加速試験(3〜6ヶ月)が実施され、製品の設計に問題がないこと、賞味期限の設定を確認します。
商品設計が確定し、最終見積書・契約書に合意した場合、工場は、原材料・包装資材の調達、製造ラインの確保などの製造手配をします。
支給原料がある場合には、原料受け入れに必要な書類・納期などの詳細を工場と事前に調整し、指定場所へ納めます。OEMメーカーは、原料受入れ試験、製造後、品質検査を実施し、指定場所へ納品します。
クリニック向けサプリメントやドクターズサプリメントと呼ばれるものは、一般に市販されているサプリメントよりも目的に合わせて各成分の配合量が多く設計されているのが一般的です。ここでは、代表的なドクターズサプリメント9種の商品開発例を紹介します。
NMN(エヌエムエヌ)は、ビタミンB3に含まれる成分の一つで、正式には「ニコチンアミドモノヌクレオチド」と呼ばれています。
ヒトの体内では年を取るにつれてNMNの量が減っていき、これが老化につながると考えられています。そこで、NMNを補うことにより、長寿に関連する「サーチュイン」という遺伝子を活性化させることが期待されており、これによって健康や美容、ダイエットへの効果が注目されています。
ヒト臨床試験は少なく、100-250mg/日が摂取目安量とされています。効率よくNMNを摂り入れる点滴療法もありますが、通院の負担なく毎日簡単に摂取できるサプリメントを提供することで、継続したケアが可能です。
ビタミンは、体内で合成することがほとんどできないため、経口で摂取する必要があります。水溶性ビタミンには、ビタミンB群とビタミンCが含まれ、摂取しても尿中に排泄されてしまうため、十分な摂取を心がける必要があります。
ビタミンB群にはB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸などがあり、体内でのエネルギー変換に不可欠です。また、ビタミンCは、コラーゲン生成、メラニン色素の生成抑制、免疫力強化、鉄吸収促進、体の酸化防止、発ガン物質生成阻止など、多岐にわたる健康効果があります。
ビタミン様物質でビタミンPとも呼ばれるものに、ルチン、ヘスペリジン、ケ ルセチンがあります。ポリフェノールの一種で抗酸化作用を持ち、ビタミンCをサポートする働きがあります。
リン脂質による超微細な球状のカプセルで包んだリポソーム化ビタミンCが開発されています。これによって吸収を飛躍的に高め、ビタミンCを大量に摂取することが可能です。点滴療法中の自宅でのケアに、美肌・ダイエット・ストレス軽減に効果が期待できます。
脂溶性ビタミンには、ビタミンA、D、E、Kがあり、これらは水に溶けない特性を持っています。これらのビタミンは、主に脂肪組織や肝臓に蓄えられ、体の正常な機能を維持するために重要です。ただし、過剰に摂ると健康上の問題を引き起こすこともあるため、摂取量の管理が必要です。
特に注目されているのはビタミンDです。ビタミンDは骨粗しょう症、インフルエンザ、認知症の予防に効果があるとされています。日光を浴びることで体内に生成されるビタミンDは、美容上の理由で紫外線を避ける方や日焼け止めを使用する方にとっては、サプリメントを通じた積極的な摂取が推奨されています。
妊娠の意向に関わらず、日本人の若年女性は低体重(やせ)の割合が高い現状にあり、やせは早産や低出生体重などのリスクを高めることが報告されています。
厚生労働省は、「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」を示しています。サプリメントの設計に関わる摂取の推奨・注意点は次のとおりです。
また、不妊治療においては、ビタミンDを十分に摂取している女性は、体外受精での着床率が高く、卵巣予備能も高いという報告があります。
これらの点を踏まえ、ビタミン・ミネラルの不足分を補い、推奨された栄養素の摂取量を満たす製品設計が望まれます。
参考:厚生労働省 令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 健やかな体づくりと食生活Book
女性ホルモン「エストロゲン」が減少した方に、同様の働きをする「エクオール」が注目されています。しかし、エクオールの供給量が限定的であることから、エクオールを体内で作り出すためのエクオール乳酸菌、大豆イソフラボンのなかでも女性ホルモン様作用の強いゲニステインを配合する方法があります。摂取量はイソフラボンアグリコン(イソフラボンから配糖体を除去したもの)として上限値75mg/日、ゲニステインとして30mg/日が目安となり、サプリメントで摂取できる設計になります。
さらに、更年期向けサプリメントには、抗酸化物質のレスベラトロール・ピクノジェノールや、食経験の長いマカ、レッドクローバー、ブラックコホシュ、アメリカンジンセン(アメリカ人参)などの成分・原料もあり、漢方薬の併用踏まえて、オリジナルの配合を設計できます。
プラセンタ注射は、美白、PMS(月経前症候群)対策、更年期障害の緩和、疲労回復など、女性のさまざまなニーズに応えています。この注射は即効性があるものの、定期的な通院や注射による一時的な痕などの負担が伴います。また、自由診療のため、費用もかかります。
このため、プラセンタ注射を受けている方には、スキンケアのためのプラセンタサプリメントを提供する方法があります。食用プラセンタは、主に豚、馬、羊などの哺乳動物の胎盤を使用しています。これには豊富なアミノ酸、ビタミン、ミネラル、成長因子が含まれており、肌細胞の活性化により、肌のハリやシワの改善、シミやニキビ肌の改善も期待できます。美容皮膚科では、プラセンタ配合の化粧品の販売も適しています。
美白サプリメントは、紫外線による光老化対策と肌の黄ばみを防ぐための糖化対策の二つのアプローチを含んでいます。L-システインやバラの花びらエキスはメラニンの生成を抑制し、肌の白さを保持する役割を果たします。
また、ハーブミックス(ドクダミ、セイヨウサンザシ、ローマカミツレ、ブドウ葉)、マンゴスチン抽出物、8-ヒドロキシイソフラボン類などの成分は、抗糖化作用によって肌のくすみや黄ばみを防ぎ、肌に透明感をもたらします。
さらに、メロン抽出物(メロングリソディン)は、体内での強力な抗酸化作用により、紫外線による肌の老化(シミ、シワ、たるみなど)を総合的に予防する成分です。
認知機能改善を謳った機能性表示食品が多く販売され、その機能性関与成分として、オメガ-3のDHA・EPA、GABA(ギャバ)、イチョウ葉、チロシン、フェニルアラニンが届出されています。特に、フェニルアラニンは必須アミノ酸で、肝臓でチロシンに変換され、興奮性の神経伝達物質ドーパミン・ノルアドレナリン・アドレナリンなどの神経伝達物質の生成に関与します。研究によれば、フェニルアラニンは認知力・記憶力・集中力の向上、精神の活性化、片頭痛などの慢性的な痛みの緩和に寄与することが明らかにされています。
機能性表示食品の届け出を行うことで、届け出に基づいて「注意力と認知柔軟性を維持」すること、「前向きな気持ちをサポートする機能」などの効能を製品パッケージに表示することができます。
医薬品と異なり、サプリメントによる痩身・ダイエットは、糖吸収阻害・脂質吸収阻害・摂取したエネルギーの燃焼の3つの手法になります。糖吸収阻害には、白インゲン豆エキス・マロンポリフェノール・サラシアエキスなど、脂質吸収阻害にはキノコキトサンなど、代謝促進やエネルギーの燃焼は、CoQ10,カルニチン,リポ酸,BCAA,HMBなど多様な成分・原料があります。機能性表示食品では、届け出に基づいて「糖や脂肪の吸収をWで抑える」などの効果効能を表示できます。クリニックや薬局のみならず、インターネット等による通販を行う場合には、広告戦略を見据えて機能性表示食品の届け出を行う商品企画も一考です。
この記事では、クリニックがサプリメント・健康食品を導入する際の注意点、開発・製造の進行・流れ、サプリメントの商品開発例9種について、解説しました。新しい知見を基にメディカル発想のオリジナルサプリメントを販売することは、顧客の獲得やクリニック経営の安定に寄与します。サプリメント・健康食品のOEMメーカーに開発・製造を委託し、販売できます。
株式会社OEMは、サプリメント・スキンケア・メイク・ボディ製品など幅広く美容・ヘルスケアに対応しており、漢方メソッドに基づくダイエットサプリの実績もあります。
「クリニック向けサプリメントを企画したい」・「コンセプトに合わせてサプリメントと化粧品をつくりたい」とご検討の際は、ぜひ当社にご相談ください。
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