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ホワイトラベルは、他社が製造した製品を自社のブランドとして販売できるビジネス上の手法です。ホワイトラベルを使ってオリジナルコスメを立ち上げれば、開発期間を短縮し、化粧品市場に短期間に参入したり、新製品を販売できるようになります。
この記事では、ホワイトラベルの意味、OEM・代理店販売・PBとの違い、ホワイトラベルのメリット・デメリット、ホワイトラベル活用によるオリジナル化粧品の事業化について詳しく解説します。
Contents
「ホワイトラベル」は、家電製品、日用品、健康食品、化粧品、SaaSサービス、ソフトウェアなど多岐にわたる分野で用いられています。この言葉は、英語の「White Label」として知られ、米国のマーケティング用語として誕生しました。
ホワイトラベルの主な特徴は、既存の製品に自社のブランド名やロゴを付けて販売できることです。これにより、製品を大量生産し、多様なブランドや販売チャネル、価格設定で市場投入することが容易になります。この手法は、新商品を短期間で市場に導入するときに特に役立ちます。
なお、自社のオリジナル商品としてのブランディングを強化するため、多くのブランドは、ホワイトラベルでの製造背景を公にしないことが一般的です。
OEM(オーイーエム)は、「Original Equipment Manufacturing」または「Original Equipment Manufacturer」の略で特定の依頼者の指定に基づく仕様やデザインで製品を製造すること、またはその製造業者を指します。
ホワイトラベルとOEMの共通点は、製品が依頼者のブランド名で市場に販売されることです。ただし、ホワイトラベルの特徴として、同じ製品が他の事業者にも提供されることです。
化粧品の分野では、ホワイトラベル製品の成分表示が他の製品と同じ場合があることに注意してください。しかし、1%以下の成分については、表示の順番を変更することが可能です。さらに、医薬部外品は全成分の明示が必須ではありません。そのため、オリジナル化粧品として独自性をアピールするとき、成分表示の工夫が可能です。
販売代理店は、メーカーや販売元の商品・サービスの販売権利を有しており、販売やアフターサービスの業務を担当します。ただし、商品のブランド名は販売元のもので、販売方法や価格は代理店契約に従って決定されます。
これに対し、ホワイトラベルでは、自社ブランドの表示、価格や販売チャネルのコントロールが可能な点が違いとなります。
PB(ピービー)、すなわち「Private Brand(プライベートブランド)」は、大手スーパーマーケットや小売業者が自社ブランドで販売する食品や日用品を指す言葉です。製造設備を持たない小売業者は、製造を他のメーカーに委託しますが、それらを自社ブランドとして市場に展開しています。
OEMはBtoB(ビジネス・トゥー・ビジネス)の企業間取引において製造側の視点から使われることが多く、対照的にPBは製品を注文する側、すなわち委託者の視点で使われる言葉となります。
ホワイトラベルとPBの共通点は、製品が依頼者のブランド名で市場に登場することです。しかし、ホワイトラベルの場合、同じ製品が他の事業者にも提供されることが特徴としてあげられます。
ホワイトラベルは主にBtoBの市場で展開されるのに対して、PBはBtoC(ビジネス・トゥー・カスタマー)の企業が一般消費者を対象とする市場でもよく使われる特徴があります。
ホワイトラベルとOEMの共通点は、両方とも製品が依頼者のブランド名で市場において販売されることです。そのため、OEMで得られるメリットをホワイトラベルでも同様に得られます。ここでは、特に化粧品市場において、ホワイトラベルがもたらす3つのメリットについて解説します。
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オリジナル化粧品の販売は、新しいビジネスチャンスとして多くの関心を集めています。ホワイトラベルの利用により、他社が開発・製造した質の高い製品を、自社ブランドとして取り扱うことができます。製造技術や設備がない事業者も、化粧品市場への参入が可能となります。これにより、技術的な資源を持たない状態であっても商品のラインナップを増やし、販売力を向上させることができます。他社が開発・製造した製品を、迅速に自社ブランドで取り扱える点は、ホワイトラベルの魅力の一つです。
化粧品の市場では、新しい機能性成分やそれらを効率的に肌に届ける技術開発、スキンケア機能を持つメイクアップ製品の開発など日々進化しており、消費者の嗜好も変わりつつあります。このような背景から、迅速な製品の開発が求められています。
ホワイトラベルを活用することで、メーカーの先進的な商品企画や高度な技術を元にした製品を、オリジナル化粧品として販売できます。これにより、開発期間を大幅に短くすることが可能です。さらに、品質についてもメーカーが保証するため、商品を安心して提供することができます。
ビジネスを進める上で、どこにリソースを投じるかは重要な決断となります。ホワイトラベルを利用する場合、研究開発や製造技術、設備投資が不要です。メーカーが既に量産体制を整えているので、事業者は人的資源や時間、そして事業資金というリソースを、商品のプロモーションによるブランド認知やファンづくりに注力することができます。これにより、効果的なブランド展開と事業の安定化が可能となります。
オリジナル化粧品の製造を検討している場合、ホワイトラベルは魅力的な選択肢となるでしょう。しかし、ホワイトラベルにもデメリットが存在します。効果的にホワイトラベルを活用するために、デメリットの2点を解説します。
ホワイトラベルの最大のデメリットは、カスタマイズの範囲が制限されていることです。商品仕様には一定の制約があるため、他の事業者にも同じか類似の製品が提供されることがあります。
例えば、配合できる機能成分や香料、容器や包装資材の種類が予めリスト化され、使用できる原料・資材が制限されていることがあります。また、試作回数やサンプル提供数が決められており、カスタマイズの機会そのものが制限されていることもあります。
ブランドコンセプトの実現や、こだわりの商品づくりを行いたい場合、カスタマイズの範囲を十分に確認することが大切です。
競合品との差別化は、ホワイトラベルを選択する事業者の大きな課題です。
化粧品市場は、多くのブランドがさまざまな商品を提供しており、競争が非常に激しいものとなっています。そのような事業環境において、ホワイトラベルの製品は、同一または類似した仕様になる可能性があり、ホワイトラベルのデメリットと言われることもあります。
他社の製品との違いを際立たせるためには、自社ブランドの特色や独自の成分配合を明確にすることが大切です。例えば、敏感肌ケアの「守り」とエイジングケアの「攻め」を同時に叶える「肌の透明感」をコンセプトにする、厳格なオーガニック認証基準に適合する設計にこだわるなどの方法が考えられます。
ホワイトラベルの利点を活かしながら、自社ブランドの独自性やストーリーを強調することで、オリジナル化粧品の差別化を図ることができます。
オリジナル化粧品の製造を考えるときにホワイトラベルという選択肢があります。化粧品事業をスムーズにスタートさせるため、ホワイトラベルをうまく利用し、化粧品事業を成功に結び付ける2つのポイントを解説いたします。
化粧品ブランドを立ち上げるとき、最初から全てを自分たちで造るのは時間とコストがかかります。ホワイトラベルを活用すれば、既に開発済みの製品を自社ブランドとして販売することができます。この方法によって短期間での化粧品事業への参入や新商品の発売が可能になります。商品の品質や安全性も確認済みなので、消費者に安心しておすすめできる点も大きなメリットです。
化粧品事業が軌道に乗り始めたら、次のステップとして商品のラインナップを増やしていくことが考えられます。ホワイトラベルを利用することで、迅速に新商品を追加したり、既存の商品をバージョンアップすることができます。これにより、アップセルやクロスセルのチャンスも増え、事業の成長をより加速させることができます。お客様のニーズに応じて、幅広い商品を提供できるのは大きな強みとなります。
本記事では、ホワイトラベルの意味やOEM等との違い、メリット・デメリット、ホワイトラベルを活用したオリジナル化粧品の事業化のポイントを解説しました。
ホワイトラベルとは、専門のメーカーが製造した製品を自社ブランドで販売する手法で、オリジナルコスメを造れる点でOEMと同じです。開発・製造の技術や設備をもたない企業が化粧品事業に参入し、事業を成長させるために有効な方法です。スキンケア・メイクアップ・ヘアケア製品などのいずれもホワイトラベルが活用できます。
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