化粧品のキャッチコピー制作のポイントを徹底解説!名作10選の事例も紹介

化粧品のキャッチコピー

印象に強く残っているキャッチコピーが誰しもいくつかあるのではないでしょうか。キャッチコピー(catchphrase)とは、商品やサービスを広告する際に使用する短い文言のことです。消費者に刺さるキャッチコピーは購買意欲を大きく高めます。キャッチコピーは商品価値を決定づけるブランディングの重要な要素なのです。
本記事では、化粧品のキャッチコピーの重要性や制作のポイント、化粧品キャッチコピー名作10選、制作で注意すべき点について解説します。

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化粧品のキャッチコピーはなぜ重要か

化粧品のキャッチコピーはなぜ重要か

化粧品のキャッチコピーが重要な理由として、以下の3つを挙げて紹介します。
・化粧品は第一印象が購入につながる
・化粧品の解説は難解なものが多い
・化粧品の購入するときはPOPを見ている
それでは、1つずつ見ていきましょう。

化粧品は第一印象が購入につながる

キャッチコピーが重要な理由の1つ目は、化粧品は第一印象が購入につながるのだということです。

ユーザーは、CM・Web・SNSで広告(商品名とキャッチコピー)やパッケージをみた最初の印象で、自分の生活スタイルと照合し、購入の可否を決定しています。化粧品は、使い始めから効果が出るまでに時間がかかるため、効果を期待できる第一印象が重要になります。効果を期待でき、自分に合っているという良好な印象を獲得できるキャッチコピーが大切なのです。

参考:ここで差が出る!売れる化粧品パッケージをどうデザインするか徹底解説?

化粧品の解説は難解なものが多い

キャッチコピーが重要な理由の2つ目は、化粧品の解説は難解なものが多いということです。

化粧品にどれほどの効果が期待できるかどうかは、全成分表示から有効成分と配合量を読み取ればある程度分かります。しかし、化粧品の各成分にどれほどの効果があるのかを伝えるには、専門的な解説が必要不可欠なため、殆どの人にとっては難解に感じられ、避けられてしまうでしょう。
キャッチコピーに消費者の便益を提示し、解説を読んでみようという気にさせるという意味でも大きな役目を担っています。

化粧品を購入するときはPOPを見ている

キャッチコピーが重要な理由の3つ目は、化粧品を購入するときはPOPを見ているということです。

2022年に行われた調査によると化粧品購入者の半分以上が「店頭で実物やPOPを確認している」と回答しています。店舗の商品棚や商品に添付されたシールPOPには、必ずと言っていいほどキャッチコピーが記載されています。店頭の限られたスペースで、商品の購入を後押ししたり、数ある競合のなかから自社商品に目を向けさせたりと、POPに記載されるキャッチコピーは、購買を動機づける重要なツールだと言えます。
※出典:化粧品購入行動に関する調査結果 | NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

化粧品のキャッチコピー制作のポイント

化粧品のキャッチコピー制作のポイント

すぐれた化粧品のキャッチコピー制作のポイントとして、以下の3つを挙げて説明します。

・化粧品のウリとターゲットを明確にする
・シンプルでわかりやすいを心がける
・第三者の意見を聞いてみる
それでは、1つずつ見ていきましょう。

化粧品のウリとターゲットを明確にする

キャッチコピー制作のポイントの1つ目は、化粧品のウリとターゲットを明確にすることです。

取り扱う化粧品の特長は何か、どのような悩みを解決できるのかを考え、消費者像を具体化します。性別・年齢などの属性はもちろん、ライフスタイルや価値観などを明確化し、ターゲットを設定します。ターゲットの悩みと化粧品の特長を組み合わせることで、より心に刺さりやすいキャッチコピーが出来上がります。

消費者に刺さるキャッチコピーは、ターゲットが購買動機とする特長・便益をうまく表したものだと言えるでしょう。

シンプルでわかりやすいを心がける

キャッチコピー制作のポイントの2つ目は、シンプルでわかりやすいを心がけることです。

直接的で平易な言葉を使用することで、消費者が一目で商品の特長・魅力を理解できるようになります。様々な要素を盛り込み過ぎると、消費者には分かりにくく、伝わりません。また、専門用語を使うと、自分に関係のないことだと消費者に思われ、避けられてしまいます。敢えてわかりづらくする手法もありますが、難易度が高いでしょう。

1秒で人を惹きつけるインパクトを持たせるには、「シンプルでわかりやすい」を心がけることです。

第三者の意見を聴いてみる

キャッチコピー制作のポイントの2つ目は、第3者の意見を聴いてみることです。

専門家の意見を取り入れることで、説明が正確性が保証されます。キャッチコピーを複数案まとめたら、実際に店頭でおかれるビジュアルや販促物を試作し、ターゲットの視点から試作品は魅力的か、実際に購買したいかをインタビューやアンケート調査し、評価・選定しましょう。

第3者の意見を聴くことで、開発や制作に携わる自分たちの論理では気づけない商品の魅力を知る機会にもなります。

化粧品キャッチコピー名作10選

化粧品キャッチコピー名作10選

ここまで、化粧品のキャッチコピーが重要な理由と制作のポイントについて説明しました。それでは、実際にどのようなキャッチコピーが共感を得たか、化粧品メーカー各社のキャッチコピーから名作といわれている10選について解説します。

・すべてのお母さんに、ありがとう。(POLA)
・大人の男を楽しもう。(資生堂)
・敏感を愛そう。(カネボウ化粧品)
・運命よりも、きれいになろう。(SK‐Ⅱ)
・年をとるだけで、”劣化”と呼ばれる時代を生きている。(ちゅらら)
・誕生。表情に合わせて「伸びる」日焼け止め。(富士フィルム株式会社)
・透明な朝を超えてゆけ。(ロート製薬)
・悩みなんて無かったころ 私は、どんな肌をしていたんだろう。(オリジンズ・ナチュラルリソーセズ)
・あの日の決断が、今日の私。(SK-Ⅱ)
・カッコいいは、変わる。(マンダム)

それでは、1つずつ見ていきましょう。

すべてのお母さんに、ありがとう。(POLA)

ポーラ創業100周年に向け掲げた行動スローガン「 We Care More. 世界を変える、心づかいを。」に基づいた2022年母の日のメッセージ広告で、ヘアケア商品にも使われました。
多様な個人の在り方を認め合う社会を目指している会社姿勢を表現し、シンプルで平易な文言を使いながら選び抜かれた言葉による強いメッセージになっています。ターゲットはお母さんではなく、その家族で、「お母さんへ御礼を言いたくなった」と多くの方の共感を得て、日経広告賞を受賞しました。

大人の男を楽しもう。(資生堂)

ファイントゥデイ資生堂の10-20代の若い男性をターゲットとするブランド「ウーノ」のキャッチコピーです。
仕事のオンにオフを切り替えて、カジュアルなプライベートシーンを楽しむ気持ちを「大人」と表現することでポジティブなイメージを訴求しています。
整った肌は大人の身だしなみであり、スキンケアで肌の手入れ欠かさず行い、オンオフを切り替えてヘアスタイリング剤やメイクアップ品を使い分けることを軽やかに提案しています。

敏感を愛そう。(カネボウ化粧品)

スキンケアブランド「freeplus(フリープラス)」は、敏感肌用に設計されたスキンケアブランドです。
スキンケア商品だからこそ、分かりやすいキャッチコピーがターゲットに刺さります。敏感肌だから刺激リスクのあるエイジングケアを諦めるのではなく、年齢に応じた積極的なスキンケアを呼びかけ、エールを送っています。有効成分ナイアシンアミド配合の医薬部外品が、美白・シワ改善の両方のエイジングケア効果への確実性を訴えています。

運命よりも、きれいになろう。(P&G)

スキンケアブランドSK‐Ⅱによる女性を肌と人生の両面から応援し、共感を得たキャッチコピーです。
遺伝的要因による肌の特性や老化による肌の変化を運命と受け入れるのではなく、その遺伝的要因や年齢の限界を超えて美しい肌になれる高機能を示唆し、期待感を高揚させるキャッチコピーです。自分の肌の運命は自分自身で決めるという意志を持った美意識を強調し、DNAを取り入れた肌診断サービスを合わせて提供し、高価格帯の商品にチャレンジしやすく訴求をしています。

年をとるだけで、”劣化”と呼ばれる時代を生きている。(ちゅらら)

年齢によるシミやシワといった複合的な肌トラブルが顕著になるミドル層女性をターゲットにした、沖縄の天然由来成分配合の美白エッセンスのキャッチコピーです。
老化は劣化と言われる現代社会において、老化を受け入れずに、年齢に比して若々しく、健康的な肌を維持する機能性を暗示したキャッチコピーです。老化は必然的なものではなく、自分自身で劣化もコントロールすることができるものと購買への後押しをしています。

誕生。表情に合わせて「伸びる」日焼け止め。(富士フィルム株式会社)

ミドル層の女性をターゲットにしたASTALIFT(アスタリフト)の日焼け止め「D-UVクリア ホワイトソリューション」のキャッチコピーです。
日焼け止めは、指数の高い製品で各社が横並び状態、機能で差別化をしようにも専門的解説が難解に見えて、ターゲットに避けられてしまいます。このキャッチコピーは、消費者のベネフィット「伸びる」に関心を惹きつけ、日焼けしたくないニーズを極限まで具体化し、伸縮する膜を作る独自技術の説明へと導いています。

透明な朝を超えてゆけ。(ロート製薬)

「SUGAO(スガオ)」は、メイクで難を隠すのではなく、スフレ感CCクリームなどの軽い質感のアイテムを使って素顔をきれいに見せるノーファンデーションのナチュラルメイクを好む女性をターゲットしています。
キャッチコピーの「透明な朝」という耳馴染みのない言葉が心情的な不安感を暗示し、商品の特徴である薄付きの素肌の透明感にも繋がっています。メイクをすることで気分が上向き、前に進む気持ちにエールを送ることで、購買を後押しするものです。

悩みなんて無かったころ 私は、どんな肌をしていたんだろう。(オリジンズ・ナチュラルリソーセズ)

オリジンズ・ナチュラルリソーセズは、天然成分を主体にしたスキンケア製品を扱うブランドです。
キャッチコピーは、年齢によるシミ・シワなどの肌トラブルが顕著になるミドル層女性をターゲットに、仕事や日常の悩みを自然な形で肌の悩みにつなげ、悩みなく自然な美しい肌を手に入れることができるという期待感を醸成します。技術力を背景に、様々な悩み・肌タイプに合わせた豊富な商品を備えているからこその狙ったキャッチコピーです。

あの日の決断が、今日の私。(P&G)

スキンケアブランドSK‐Ⅱのキャッチコピーで、自らの決断で運命を切り開き、人生を思いきり楽しむ女性として、綾瀬はるかさんを起用し、一人称で語る嫌味がないメッセージとなっています。
過去の商品を使い始めた決断が現在の自分の肌を作っている、その肌の美しさに自信をもっていることを示し、商品の効果を暗示しています。過去を振り返り、今日、そして、10年、20年後の未来の肌に思いをはせるメッセージで、所得中間層に対して高価格帯商品の購入を動機付けるものとなっています。

カッコいいは、変わる。(マンダム)

GATSBY(ギャッツビー)の2021年ブランドムービーによるものです。日本国内市場では大衆層の高校生から大学生をターゲットにしています。
「カッコいい」とは一定のイメージに固定されることなく場面によって変化し、自分自身を変えることは「カッコいい」というメッセージを送っています。そして、「変わる」の意味も読み手によって変化します。この商品で自分を変え、自分らしいカッコいいを作ろうというポジティブなメッセージで商品の購入を促しています。

化粧品のキャッチコピー制作で注意すべき点

化粧品のキャッチコピーを作る側はどのような点に注意したらよいでしょうか。以下の3つの観点について説明します。

・著作権違反をしていないか
・キャッチコピーで完結していないか
・過剰な表現をしていないか

それでは、1つずつ見ていきましょう。

著作権違反していないか

キャッチコピー制作で注意すべき点の1つ目は著作権違反をしないことです。

キャッチコピーは、著作権法上の保護にあたらないと裁判所は判断しています。それでも、トラブルになれば、著作権を侵害していなくてもブランドイメージに傷がつく可能性があります。また、商標登録されていた場合は、知らなかったとしても罪に問われる事があります。トラブルを回避するため、キャッチコピーを作ったらまずは類似の前例がないかを調べ、代替表現を探すなどの事前の対応を心がけましょう。

キャッチコピーで完結していないか

キャッチコピー制作で注意すべき点の2つ目はキャッチコピーで完結しないことです。

商品名だけでは分からない効果を補うのがキャッチコピーですが、説明しすぎずに成分説明などへの導線になるのが理想です。例えば、日焼け止めは、各社が指数の高い製品をだし、差別化が難しくなっています。ASTALIFT(アスタリフト)の日焼け止め「D-UVクリア ホワイトソリューション」のキャッチコピー「(略)表情に合わせて「伸びる」日焼け止め。」は、「伸びる」に消費者の関心を惹きつけ、伸縮する膜を作る独自技術の説明へと促しています。

過剰な表現をしていないか

キャッチコピー制作で注意すべき点の3つ目は過剰な表現をしていないことです。

化粧品や医薬部外品は、薬機法や景品表示法に広告で謳える効果の範囲が定められています。この他に、「医薬品等適正広告基準」や「化粧品等の適正広告ガイドライン」など、遵守すべきガイドラインがあります。おおげさで信用できない表現や非科学的で根拠の提示できない表現は、認められません。化粧品の効能表記は、最新情報を入手し、規制範囲と消費者への訴求力を見定めましょう。

まとめ

本記事では、化粧品のキャッチコピーの重要性や制作のポイント、化粧品キャッチコピー名作10選、制作で注意すべき点について、解説しました。

化粧品のキャッチコピーは、難解になりがちな商品の特長や機能性を分かりやすく伝え、効果に対する期待感や購買意欲を高め、購買決定の後押しとなります。印象に残るキャッチコピーは、商品のブランディングによるロングセラー化への足掛かりとなり、事業の長期安定にもつながるでしょう。

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