- HOME
- 化粧品OEMラボ
地中海沿岸地方の食生活ではよくオリーブオイルが食されています。この地域の心臓疾患による死亡率が低いことからオリーブオイルの食習慣が注目され、その7割を占めるオレイン酸の健康効果が研究されました。
今ではオレイン酸を豊富に含む食用油など生活習慣病を予防する食品が市販されています。さらに、オレイン酸はヒトの皮脂成分の約4割を占め、安全性や安定性が高いことから化粧品や医薬品にも使用されています。
この記事では、オレイン酸の特徴と化粧品用途、オレイン酸を含む植物油とその魅力、肌に優しいオレイン酸の化粧品応用例やオレイン酸の美容効果、最後に注意点について詳しく解説します。
Contents
オレイン酸は、一価不飽和脂肪酸に分類され、植物油に多く含まれる油です。特にオリーブオイルや椿油、マカデミアナッツオイルに豊富に含まれています。化粧品や医薬部外品の表示名称は「オレイン酸」です。融点が13℃付近であるため、低温状態にならない限りは液状で、ラードのように固まることはありません。
肌へのなじみが良いのは、ヒトの皮脂の約4割がオレイン酸で構成されているからです。そのため、化粧品に配合されることで皮膚からの水分蒸散を抑え、乾燥から肌を守ることで保湿効果があります。
オレイン酸には、保湿を含め、以下のような多くの化粧品用途があります。
保湿 | 油溶性成分として肌や毛髪を柔らかく、なめらかに整えます。 |
洗浄作用 | アルカリで中和すると界面活性作用があり、石鹸等の洗浄に利用されます。 |
結晶化防止 | クリーム系スキンケア製品に使用され、ステアリン酸の結晶化を防ぎます。 |
加脂剤 | シャンプーや石鹸の泡立ちを安定させ、泡のきめ細かさを調整します。 |
油性基材 | 化粧品の硬さを調整したり、オイルの延びや感触を良くします。 |
以上のように、オレイン酸は化粧品に広く利用され、肌・毛髪の健康や美容に役立てられています。
オレイン酸は、健康効果を期待して食される紅花油、なたね油、こめ油、ひまわり油(サンフラワーオイル)に、ナッツ類ではマカダミアナッツやアーモンドに多く含まれています。
また、化粧品用途でも美容効果に優れ、オレイン酸を含む様々な植物油が利用されています。
ここでは、オレイン酸を豊富に含む椿油、オリーブオイル、マカデミアナッツオイル、アルガンオイル、米ぬか油、アボカドオイルについて、各植物油の魅力を解説します。
化粧品表示名を「オリーブ果実油」といい、オレイン酸が主成分です。微量のトコフェロールやβ-カロテンが抗酸化作用を発揮し、酸化に比較的強い特性があります。油性基材、保湿、洗浄、溶剤など多岐にわたる用途で利用され、各種クリームやメイクアップ製品、マッサージオイル、ヘアケア製品に配合されています。
さらに、肌にやさしい性質から、目の周りや赤ちゃん向けの製品にも配合されています。洗浄力、起泡性、泡の持続力を持ち、多くの洗浄製品で利用されています。また、油溶性の植物エキスや化合物を製品に配合する際の溶剤としても活用されています。
アルガンオイルは化粧品に「アルガニアスピノサ核油」と表示されます。主な成分はオレイン酸で、リノール酸も豊富に含まれています。これらの成分のため保湿効果が高く、特に乾燥肌の方にはおすすめです。さらに、トコフェロールが含まれているので、酸化しにくい特性も持っています。このような特長から、アルガンオイルはメイクアップ製品、スキンケア製品、ヘアケア製品などで幅広く使用されています。また、アルガンオイル特有のアーモンドのような香りは、多くの人に愛されています。
椿油(ツバキオイル)は、その化粧品表示名を「ツバキ種子油」とされ、酸化に強い性質を持っています。そのため、日中紫外線を受ける朝のスキンケアにも使用できます。毛髪への馴染みがよく、古くからヘアオイルやヘアケア製品に使われてきました。また、油性基剤や保湿成分としても活用され、各種クリーム、メイクアップ製品、ネイル製品にも配合されています。
化粧品や医薬部外品の表示名は共に「アボカド油」とされています。他の植物油に比べ、酸化しやすい特性を持つため、抗酸化性の高い植物油やトコフェロールといった酸化防止剤と組み合わせて使用されることが多いです。アボカドオイルはその柔らかなテクスチャーと良好な伸び、さらに高い皮膚浸透性から、化粧品に幅広く採用されています。
特に、油性基材としてはマッサージオイル、ベビーオイル、日焼けオイルなどに適しており、さらに保湿効果を利用して各種クリーム、メイクアップ製品、ヘアケア製品、ネイル製品といったアイテムにも用いられています。
化粧品や医薬部外品では「コメヌカ油」として表示され、酸化に対しては比較的強い特性を持っています。そのサラリとしたテクスチャーは使用感が良く、保湿効果も期待できます。このため、クリーム、メイクアップ製品、ヘアケア製品などで広く使用されています。
さらに、米ぬか油にはオリザノールという成分が含まれ、紫外線を吸収する効果があります。この特性から、日焼け止めなどの製品にも採用されています。γ-オリザノールやトコトリエノールには、抗酸化、美白、しわ予防、抗炎症といった複数の効果があるため、多岐にわたる化粧品で活用されています。
化粧品での表示名は「マカデミア種子油」とし、医薬部外品には「マカデミアナッツ油」と表示されます。主成分としてオレイン酸を持ち、20%以上のパルミトレイン酸を含むため、薄く広がり易く、肌への馴染みが良い特性を持っています。また、酸化にも強い特性を有しています。
基材、保湿、加脂肪といった様々な用途で使用されており、メイクアップ製品、スキンケア製品、ボディケア・ヘアケア製品、洗顔料などの洗浄製品をはじめとする多くのアイテムに配合されています。
オレイン酸は私たちの皮脂の4割を構成し、肌なじみがよいことが特長です。保湿・洗浄・結晶化防止・油性基材などの用途があり、オレイン酸、またはオレイン酸を高含有する植物油は、スキンケア製品・オイル製品など広く利用されています。どのような製品に応用されているか見ていきましょう。
オレイン酸やオレイン酸を多く含むオリーブオイル、アルガンオイル、椿油、アボカドオイル、米ぬか油、マカデミアナッツオイルなどは、石鹸、洗顔料、シャンプーといった洗浄製品に適しています。オレイン酸は、泡立ち力・洗浄力・泡の持続性・そしてエモリエント効果を持つため、泡立ちの良さが摩擦を軽減し、肌や髪のダメージを防ぐのです。この性質から、敏感肌やダメージを受けたヘア用の製品に配合することもお薦めです。
クリームや乳液に配合されたオレイン酸やオレイン酸を多く含む植物油は、加齢により不足しがちな皮脂を補い、保湿効果を高めます。乾燥肌や敏感肌向けの化粧水や乳液、クリームに最適です。さらに、エイジングケアには美白・シワを予防する効果が期待できるオリーブオイル、アルガンオイル、椿油、米ぬか油の配合がお薦めです。これらの植物油は抗酸化作用を持ち、肌の老化を防ぎながら、ハリと潤いを保つことができます。
皮脂腺がなく、皮脂膜や角層が極めて薄い唇は、水分蒸発速度が速く、角質水分量も少なめです。そのため、乾燥しやすく保湿ケアが重要となります。オリーブオイル、アルガンオイル、ひまわり油などの保湿効果はリップケア製品に適しています。
クレンジングは、メイク汚れを落とす高い洗浄力と、肌を守る保湿効果が同時に求められます。オリーブオイル、アルガンオイル、米ぬか油は、この2つを同時に適える植物油です。
香りのあるオレンジ果皮油など複数の植物油とのブレンドによって、保湿力の増強やリフレッシュ効果を付加し、差別化を図ることも可能です。8種類の植物オイルを配合し、多くのベストコスメアワードを受賞するロングセラークレンジングオイルもあります。
オレイン酸やオレイン酸を多く含む植物油は、マッサージオイルに配合することで、肌によく馴染み、保湿効果が得られます。肌の柔軟性を保つことができるため、妊娠線の予防や膝・踵など硬くなった角質を軟らかくすることも期待できます。
オリーブオイル、米ぬか油、マカデミアナッツオイルは、ベースのオイルとし、精油を添加することで、機能や香りの異なるシリーズ製品がつくれます。また、これらの植物油をベースに複数の植物油をブレンドすることで粘度を調節して使用感を高めたり、希少なオイルを全身に使用することもできます。
ヘアオイルに配合されたオレイン酸は、毛髪の表面をコートすることで保湿効果を発揮し、ドライヤーや紫外線による熱や乾燥から毛髪を守り、つやを与えます。また、染毛やパーマネント液などでダメージを受け、ごわついた毛髪をやわらかくまとめます。頭皮の保湿・健康維持、抜け毛予防にも効果的です。特に、オリーブオイル、アルガンオイル、椿油、米ぬか油、マカデミアナッツオイルは、ヘアオイルとして優れた成果を発揮します。容器は、スプレータイプを選択することで均一に塗布しやすく、お薦めです。
オレイン酸を含んだネイルオイルは、爪の根元部分にある甘皮(キューティクル)や爪と指先の皮膚をつなぐ内側部分であるハイポニクムを保湿し、柔らかく整えます。ささくれ防止や、乾燥による爪のひび割れ・二枚爪を防ぐ効果、爪を美しく伸ばす効果も期待できます。オリーブオイル、アルガンオイル、椿油、アボカドオイル、ひまわり油などのオレイン酸を含むオイルが爪の保湿ケアにお薦めです。
デリケートゾーンのケアにもオレイン酸を含むオイルによる保湿効果は有用です。デリケートゾーンの肌を乾燥や刺激から守り、黒ずみやかゆみをやわらげることが期待できます。特にアルガンオイル、アボカドオイル、マカデミアナッツオイル、ひまわり油、マルラオイルなどのオイルが推奨されます。植物油を選ぶ際は精製されたクリアオイルを選び、刺激がないか様子を見ながらケアしましょう。
オレイン酸を含む植物油は、ヒトの皮脂に近く刺激が少ないこと、熱や酸化に比較的安定であることから、ベビーオイルに配合することができます。その効果は保湿や頭皮ケアだけにとどまらず、耳鼻の掃除やマッサージにも利用できます。オリーブオイル、アルガンオイル、ひまわり油、マルラオイル、米ぬか油、マカデミアナッツオイルなどのオレイン酸を含む植物油は、赤ちゃんのデリケートな肌をしっかりと保護し、乾燥から守ります。
私たちの皮脂の約40%がオレイン酸で構成されていること、また、オレイン酸が一価不飽和脂肪酸に該当することから、化粧品においてエモリエント効果と洗浄効果という2つの美容効果を期待することができます。
オレイン酸はヒトの皮脂の成分に近いことから皮膚に対して高い親和性を示し、皮膚の水分蒸発を抑え、乾燥から肌を守る働きがあります。このエモリエント作用によって皮膚を柔らかく、保湿することができるのです。サラッとした軽いテクスチャーで、各種オイル、スキンケア製品、ヘアケア製品にオレイン酸が活用されています。
オレイン酸はアルカリ成分(水酸化ナトリウムや水酸化カリウム)と共に配合することで、高い洗浄効果を持ちます。また、泡立ちやその持続性に優れ、摩擦レスで肌・毛髪を優しく洗いあげることができます。これらの特性から、オレイン酸は石鹸、洗顔料、シャンプー製品などに広く使用されています。
オレイン酸を含む化粧品を使用する際は、一部の肌質や保管方法に注意が必要です。
オレイン酸は、皮脂に含まれる成分ですが、油分であるため、過剰に塗布することのないよう注意が必要です。ニキビ肌やオイリー肌の方は使用量や塗布する場所に気を付けましょう。
また、オレイン酸は一価不飽和脂肪酸であり、その性質上、熱・光・空気などにより酸化される特徴を持っています。酸化したオイルを塗布すると肌荒れ・ニキビ・シミなどの原因になります。オイルを酸化から防ぐための注意が必要です。容器や化粧箱に記載された注意事項に従い、直射日光を避け冷暗所に保管し、開封後は早めに使い切ることをお勧めします。
本記事では、オレイン酸とオレイン酸を含む植物油の美容効果、化粧品への応用例と美容効果について解説しました。
オレイン酸は安定性と安全性、エモリエントや洗浄の効果から多くの美容アイテムに採用されています。植物油によっては、美白やシワ予防の効果があり、エイジングケア化粧品への配合もお薦めです。
株式会社OEMは、オリジナル化粧品・健康食品の企画・製造を請け負い、多くのOEM実績を基に事業者様の販売活動をご支援しております。
「化粧品の企画を相談したい」、「新たに化粧品をつくりたい・リニューアルしたい」とご検討の際は、ぜひ当社にご相談ください。
お問い合わせ化粧品に含まれる着色料の影響とは?商品を選ぶポイントも解説
2024.11.30オリーブオイル化粧品の4つの効果!活用法や食用との違いも解説
2024.11.30OEMで化粧水を製造!メリットや流れなどをまとめて解説
2024.10.31お問い合わせはこちらまで