ヴィーガン化粧品OEMのメリット・デメリットと製造開発のポイントを解説

ヴィーガン化粧品OEMのメリット・デメリットと製造開発のポイントを解説

ヴィーガン化粧品とは?
ヴィーガン化粧品のメリットは?
ヴィーガン化粧品でどんな商品をつくれる?

ヴィーガン化粧品とは、動物由来の原料を使用せず、動物実験も行わない化粧品のことです。2010年頃から環境問題への関心の高まりとともに、SNSでヴィーガンコスメが取り上げられるようになり、認知が広がったと言われています。

多くのヴィーガンコスメは、動物性原料はもちろん、化学物質も使用せず、植物由来の原料で商品を作ることで、肌に優しい化粧品として注目されています。その結果、市場規模も拡大しています。

この記事では、ヴィーガン化粧品の特徴やオーガニック化粧品との違い、今後の展望、ヴィーガン化粧品のメリット・デメリット、そして製品開発のポイントについて詳しく解説します。

化粧品OEM資料をダウンロードする

OEM製造できるヴィーガン化粧品とその特長

OEM製造できるヴィーガン化粧品とその特長

ヴィーガンとはベジタリアンの一種で、動物性食品を一切口にしない完全菜食主義者を指します。1944年にイギリスのドナルド・ワトソン氏がヴィーガン協会を立ち上げ、この言葉を作ったと言われています。ヴィーガンには、衣食住のすべてから動物性の素材を避ける人々も含まれます。
ここでは、ヴィーガン化粧品の特徴やオーガニック化粧品との違い、ヴィーガン認証、ヴィーガンコスメの今後の展望について解説します。

ヴィーガン化粧品とは

ヴィーガン化粧品とは、製品自体および製造過程において動物由来の原料を一切使用せず、動物実験も行わない化粧品のことです。スキンケアやヘアケア、メイクアップ化粧品など、多様な商品がヴィーガン認証を受けたり、企業がヴィーガン化粧品として公表したりしています。

ヴィーガン化粧品には、通常の化粧品に使用されているミツロウやコラーゲン、ケラチン、ハチミツなどの動物由来成分は一切使用されていません。また、必須条件ではありませんが、市場に流通しているヴィーガン化粧品には、化学原料を使用せず、100%植物由来の原料を使用しているものもあります。環境保護の観点や肌にやさしいイメージを消費者が持つことから、日本市場でもヴィーガン化粧品の拡大が見込まれます。

オーガニックコスメとの違い

オーガニックコスメはヴィーガンコスメとは異なり、農薬や化学肥料を使用せず、有機栽培された原料を使用した化粧品のことです。オーガニックコスメには、石油由来の合成界面活性剤や防腐剤、人工香料などが含まれておらず、天然の成分を中心に作られています(認証機関によって天然由来の割合や、使用可能な合成原料など定義が異なります)。ただし、オーガニックコスメには動物由来成分を使用したり、動物実験を行ったりしているものが含まれる可能性があります。

一方、ヴィーガン化粧品は動物由来の成分を一切使用せず、動物実験も行わない点が大きな違いです。ミツロウやコラーゲン、ハチミツなど、一般的に化粧品に使用される動物由来成分を避け、クルエルティフリー(動物実験を行っていない)を徹底しています。

オーガニックコスメとヴィーガン化粧品の違いを理解した上で、オリジナルブランドに最適な条件を選ぶことが重要です。

ヴィーガン認証

ヴィーガンとは、食や日用品、家具など衣食住において動物由来のものを避け、動物の生命を尊重する考え方です。この考え方に基づき、製品がヴィーガンであることを明確に示すマークや認証を求める声が高まり、認証制度が設けられています。

ヴィーガン認証とは、第三者機関の基準をクリアした商品に対して「この商品は確かにヴィーガンである」と保証する仕組みです。この認証を取得することで、消費者は製品が動物由来の成分を一切含まず、動物実験も行われていないことを確認できます。認証機関には、イギリスのThe Vegan SocietyやアメリカのVegan Action/Vegan Awareness Foundationなどがあり、それぞれに審査基準や認証マークがあります。

ヴィーガンコスメの今後の展望

ヴィーガンコスメは、ベジタリアンの一つの流れから発展し、クルエルティフリー(動物実験を行わない)でエシカル(倫理的)であることや、クリーンビューティ(環境や肌に有害・刺激のないクリーンなものをイメージする言葉)志向が相まって注目を集めています。さらに、SNSを通じて情報を得たり共有したりする消費者が増加し、ヴィーガンコスメの認知度と需要が一層高まっています。

国内大手化粧品会社は、ヴィーガンコスメブランドを買収したり、展開を強化したりしていますが、ヴィーガンを前面に押し出したコスメブランドはまだ少ない現状があります。今後は、環境や肌にやさしいというメッセージによって、非ヴィーガンの消費者にも需要が広がり、ヴィーガンコスメの人気が高い韓国コスメを入り口にヴィーガン市場が形成される可能性もあります。

ヴィーガン化粧品のメリット

ヴィーガン化粧品のメリット

ヴィーガン化粧品とは、製品自体および製造過程において動物由来の原料を一切使用せず、動物実験も行わない化粧品のことです。スキンケアやヘアケア、メイクアップ化粧品まで、多様な商品があります。また、必須条件ではありませんが、現在流通しているヴィーガン化粧品には、化学原料を使用せず、100%植物由来の原料を使用しているものもあります。
ここでは、ヴィーガン化粧品のメリットについて3点解説します。

SDGsに貢献する化粧品

ヴィーガン化粧品のメリットは、環境や健康、社会に貢献できることです。ヴィーガンの概念は、持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献する重要な要素です。

まず、動物由来の製品を購買しないことで、畜産業の生産規模が縮小します。家畜の飼育や加工、流通の段階で排出される温室効果ガスの量が減り、環境問題の解決に寄与します。また、ヴィーガン化粧品の多くは植物由来の成分を使用しているため、環境や肌に負荷をかけないと考えられています。さらに、動物実験を行わないことで、動物福祉(※)にも貢献しています。

このように、ヴィーガン化粧品を選ぶことは、環境保護、健康維持、陸上生物保護という三つの側面でSDGsに貢献することができます。

動物実験をしない化粧品

ヴィーガン化粧品は、動物由来成分を使用せず、製造過程においても一切動物を使用しない製品です。ヴィーガン化粧品は動物の生命を尊重し、「動物が精神的・肉体的に十分健康で、幸福であり、環境とも調和している」という動物福祉(※)の精神を実現しています。

消費者はヴィーガン化粧品を選ぶことで、より倫理的な消費を実現でき、大きな安心感を得られます。そして、ヴィーガン化粧品を提供することは、消費者からの信頼を得る大きな要素となります。

競争優位性のある化粧品

ヴィーガン化粧品は、消費者のニーズに応えることで大きな競争優位性を持っています。消費者は、個人の価値観を反映した商品選びを行う傾向が強まっており、特に若い世代では、動物福祉(※)や環境配慮など、製品の倫理的な価値を重視する傾向があります。

ヴィーガン化粧品にヴィーガン認証マークを付けることで、消費者に分かりやすく倫理的な価値を伝え、信頼を得やすくなります。また、ブランドの独自性を示すこともできるため、競争力を高めることができます。

ヴィーガン化粧品のデメリット

ヴィーガン化粧品のデメリット

ヴィーガン化粧品にはデメリットもあります。必須条件ではありませんが、流通しているヴィーガン化粧品で、化学原料を使用せず、100%植物由来の原料を使用しているものは、使用できる原料に制限があります。また、ヴィーガン認証には審査や更新条件があり、これらも考慮する必要があります。各デメリットについて詳しく解説します。

植物アレルギーのリスクがある

ヴィーガン化粧品のデメリットの一つ目は、植物アレルギーのリスクです。ヴィーガン化粧品には、植物由来の原料を使用した製品が多く、植物アレルギーや食物アレルギーのある方は注意が必要です。例えば、小麦やトウモロコシ、大豆、カラスムギ由来の成分が含まれます。アレルギーを持っている方や敏感肌の方は、使用前に全成分表示を確認し、パッチテストを行うことをおすすめします。

配合原料に制限がある

ヴィーガン化粧品には、配合できる原料に制限があります。ミツロウやラノリン(羊毛脂)、ハチミツ、プロポリス、コチニール(着色料)などの動物由来の成分は使用できません。また、コラーゲンやグリセリン、スクワラン、ケラチンといった成分は動物性タンパク質に由来するものが一般的ですが、植物性の成分も存在します。ヴィーガン化粧品を製造する際には、植物性の成分を選ぶことが重要です。

ヴィーガン化粧品の原料選定や調達には、各原料に動物性物質が含まれず、動物実験が行われていないことを確認する工程が必要となり、通常の開発期間に比べて時間がかかる点もデメリットと言えます。

認証に審査や更新条件がある

ヴィーガン化粧品の認証取得には審査があります。認証条件や認証の更新制度の有無、費用などは審査機関によって異なります。例えば、動物由来成分を使用しないことや動物実験を行わないことが求められますが、その範囲や具体的な基準は機関ごとに異なります。

ブランドによっては認証を取得せず、自社の基準でヴィーガン化粧品であることを公表している場合もあります。認証マークがない場合、消費者にとって商品がヴィーガンであるかどうかが分かりにくくなり、製品の倫理的価値を十分に示せず、販売促進に結びつかない可能性があります。認証の取得にはコストや時間がかかるため、企業は認証によって得られる消費者の信頼とのバランスを判断する必要があります。

ヴィーガンコスメの製品開発ポイント

ヴィーガンコスメの製品開発ポイント

ヴィーガンコスメは、動物由来成分を使用せず、製造過程においても一切動物を使用しないという制限があります。ここでは、ヴィーガンコスメの製品開発のポイントを2点解説します。

製品開発能力

ヴィーガンコスメの原料は、植物由来のものや植物由来で化学成分を合成したものであり、動物由来の成分や動物実験を行った成分は使用しません。このため、原料選定や製品開発には一定の制限があります。また、認証を受ける場合には、審査条件や手続きを熟知する必要があります。適切な原料を選び、効果的な配合を行うことが重要です。

ヴィーガンコスメの開発においては、これらの制約を理解し、高品質な製品を作るための開発力が求められます。豊富な知見と製品開発力を持つOEMメーカーを選定することが重要です。

容器・外装の仕様

ヴィーガンコスメの製品開発においては、容器や外装の仕様も重要なポイントです。ブランドの倫理的価値を高めるために、環境に配慮した素材の選択やパッケージレスの導入も選択肢の一つです。

具体的には、リサイクル可能な素材を使用した容器や再生紙を用いたパッケージ、環境負荷を軽減したインクの採用が考えられます。パッケージレスの製品を導入することで、消費者に環境意識の高いメッセージを伝えることができます。

化粧品の容器や外装は、製品を保護する目的があり、品質の保持は不可欠です。そのため、豊富な知見と環境意識の高いOEMメーカーを選定することも重要です。

関連記事:化粧品OEMとは?メリット・デメリット・成功のポイントや選び方まで解説

まとめ

まとめ

ヴィーガン化粧品とは、動物由来の原料を使用せず、動物実験を行わない化粧品です。多くのヴィーガン化粧品は、植物由来の原料を使用し、環境にも肌にも優しい製品として打ち出されており、市場規模は拡大しています。

ヴィーガン化粧品の課題を理解し、適切な代替成分を選ぶことで、高品質な製品を提供することができます。当社にはヴィーガン化粧品の開発・製造に関する豊富な知見があります。オリジナルブランドのヴィーガン化粧品のOEMは、ぜひ当社にお任せください。

株式会社OEMは、スキンケアからメイクアップ化粧品、ボディ・ヘア・オーラルケア、サプリメントなど幅広く美容・ヘルスケアの商品開発・製造の実績があります。医薬部外品化粧品やドクターズコスメ、サロン専売品の実績もございます。また、事業を海外へ展開する場合の貿易・契約書関連、販促サポートも可能です。

「化粧品の企画を相談したい」、「化粧品をリニューアルしたい」とご検討の際は、ぜひ当社にご相談ください。

動物福祉とは、「動物が精神的・肉体的に充分健康で、幸福であり、環境とも調和していること」

※公益社団法人 日本動物福祉協会 https://www.jaws.or.jp/welfare01/

お問い合わせ

化粧品OEM資料をダウンロードする

化粧品OEMラボ

詳しく見る

お問い合わせはこちらまで

インターネットでのお問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

03-6384-4817 (受付時間 平日 9:00-17:00)