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新型コロナウィルスの流行がきっかけとなりハンドソープの需要が急激に増え、ドラッグストアの棚からハンドソープが一時的に消えるという現象が起こりました。
この現象を機に、ハンドソープの製造を考え始めたという企業も多いのではないでしょうか。
2020年9月現在も、密閉・密集・密接の3密を避け、手洗いやうがいについても適時行うように推奨されています。
このような背景を受から、OEMでの除菌効果のあるハンドソープの需要が高まっています。
ハンドソープは薬機法(旧薬事法)の制限を厳しく受けるため、内容物に対して責任を持ち製造を行うことができる、信頼の置ける会社にOEM会社を選定して、製造すべきといえます。
本稿では、ハンドソープをOEM製造するための企画から販売までの流れ、また、OEM製造のメリットやOEM会社を選考するポイントをご紹介します。
Contents
ハンドソープをOEM製造するメリットは以下の通りです。
それぞれを一つずつ解説していきます。
ハンドソープをOEM製造するメリットの1つ目は新たな許認可を取得する必要がないことです。
ハンドソープは薬機法(旧薬事法)により規制を受ける化粧品に分類されますが、特に殺菌や消臭などの効果を謳う場合、「医薬部外品」である「薬用石鹸」となります。
化粧品を製造し、販売するためには「化粧品製造業」としての行政の許可が必要で、さらに「化粧品製造販売業」としての許可を受けた業者が市場への出荷の責任を負うことで成り立っています。
人の身体になんらかの効果が期待できるものを製造するためには新たなに許認可を受ける必要がありますが、OEM製造の場合、委託先が代行して取得してくれるため、自社で手続きを行う必要はありません。
ハンドソープをOEM製造するメリットの2つ目は設備を導入するためのコストがかからないことです。
ハンドソープを製造する場合、専用の設備を導入する必要があります。
専門性の高い設備となるため、初期段階で大きな投資となりますし、さらにメンテナンスや在庫管理、また、光熱費や人件費など設備を維持するための費用も発生します。
税金面においても土地や建物の固定資産税などの費用も発生するため、基本的にハンドソープはOEMで製造するのが一般的です。
ハンドソープをOEM製造するメリットの3つ目は開発コストが安くすむことです。
自社でハンドソープを製造する場合、中身開発、品質確認、原材料の仕入れ、調合、充填・包装、法的要件を満たす表示など多くのプロセスが存在しますが、ハンドソープのOEM製造の場合、すでに開発が進んで許認可が下りている製品に、依頼先のブランドのオリジナリティを加えて商品化することも可能です。
そのため、開発にかかるコストは自社製造より格段に安く、また、企画から販売までの時間も短縮できます。
ハンドソープを製造し販売するために必要なことは以下の3つです。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
ハンドソープを製造し販売するために必要なことの1つ目は、法律や国の許認可を理解するということです。
ハンドソープは化粧品に分類され、化粧品を販売する際には各種許可が必要となります。
具体的には、化粧品製造販売許可、化粧品製造許可、化粧品製造業許可の3つがあります。
まず、化粧品製造販売業許可とは、化粧品を世の中に送り出すことが出来る許可です。
OEM製造業者(化粧品工場)に製造を依頼して自社の名前で販売する場合には、化粧品製造販売業の許可が必要になります。
また、化粧品製造業許可とは、自社へ入庫してラベル貼りなどを行う場合に許可が必要になります。
ラベル貼り等がなくても、出荷判定までの一時的保管を行うためには必要になります。
しかし、完成している化粧品の小分けなどはできないことと、化粧品製造販売業許可が無いと販売することはできません。
そして、化粧品製造業(一般)の許可とは、化粧品工場として、全ての工程作業を行う事が出来る許可になりますが、化粧品製造販売業の許可が無いと販売はできません。
ハンドソープを製造し販売するために必要なことの2つ目は、コンセプトを明確にすることです。
一般的にハンドソープは、市場における「スイッチング」が比較的行われやすい商品に分類されます。
スイッチングとは、商品の切り変えを示し、他社の製品から自社の製品に乗り換えてもらうためのコストが低くすみます。
例えば長年ヒットを続ける大手メーカーの製品では、絶妙なネーミングとストーリー性、また、キャラクターへの親近感などコンセプトメイキングがされている印象を受けます。
ハンドソープはスイッチコストが安く済む分、他社に乗り換えられてしまう可能性も高く、すぐに乗り換えられてしまわないためには、「誰に、どのようなハンドソープを使ってもらいたいか」というコンセプトを明確に打ち出す必要があります。
ハンドソープを製造し販売するために必要なことの3つ目は、信頼できるOEM会社の選定することです。
OEM生産を成功させるためには、信頼できる良い業者を選ぶことが重要です。
商品の企画から出荷まで、一貫体制が整っており、ターゲットが求めている商品の動向を把握していること、また、工場の設備に安全性があり、品質の高さを維持していること、そして、クライアントの意思に応じて柔軟に対応してくれることがポイントです。
委託側の細かいオーダーに応えてくれたり、少ない資本でもオリジナル商品の製作・販売に柔軟に対応してくれる、という点も大切ですが、何よりも、実績が多く経験を積んでいる信頼できるメーカーに依頼するのがおすすめです。
ハンドソープをOEM製造する場合の一般的な流れは以下のようになります。
それでは、一つずつ解説します。
ハンドソープをOEM製造する場合の一般的な流れの1番目は、打ち合わせです。
まずは、自社で作りたいハンドソープのコンセプトを決定し、OEM製造元を選定します。
OEM製造元を選定後、製品イメージ、生産個数、予算、希望納期などを伝え、固まったイメージにそって、配合成分、数量など詳細を絞り、商品化に向けての企画をすすめます。
OEM製造元のノウハウやオリジナルな製品をベースにして、自社の独自の付加価値がついたハンドソープの企画をします。
同時に、商品のコンセプトやターゲット、販路などについての考えも明確にしていきます。
ハンドソープをOEM製造する場合の一般的な流れの2番目は、試作です。
ハンドソープの素材を、どのような形で使用できるか検討し、使用感やコンセプトを考慮し処方設計を開発します。
また、自社の製品を購入する顧客が安心して使用できるよう、防腐力試験や容器試験など安全性に問題がないか確認を行ってもらいます。
商品の使用感や完成イメージを、納得するまで試作を繰り返します。
ここで問題がなければ処方を決定し、イメージや価格に応じて容器等の仕様を決定します。
ハンドソープをOEM製造する場合の一般的な流れの3番目は、見積もりです。
処方・製品仕様・数量が決定したら、正式にお見積りを出してもらいます。
見積もりには、原料の他、容器やディスペンサーなどのパッケージや場合によっては化粧箱も必要となるため、その価格も含めていきます。
また、デザインの印刷代などもあり、ロットが多いほど1つあたりの価格は下がる傾向にあります。
ハンドソープをOEM製造する場合の一般的な流れの4番目は、発注・製造です。
OEM製造元は、製品化が決定したところで、原料・資材が揃った段階で「秤量・調合」→「充填」→「包装」→「検査」→「出荷」の流れで生産します。
製造後、品質に問題がないか等、厳しく試験・検査を実施します。
また、薬事法や景品表示法に沿ってその他必要な製造の手続きを行います。
ハンドソープをOEM製造する場合の一般的な流れの5番目は、納品です。
出荷前に検査を実施し合格した製品を国内指定場所に納品してもらいます。
納品後のアフターフォロー体制も事前に確認しておく必要があります。
そのほかに、第2弾、第3弾の追加商品や、リニューアルの企画案の提案など、OEM製造元とは、幅広く継続的な付き合いになります。
ハンドソープ製造で抑えておきたいポイントは以下の3つです。
以下、一つずつ解説します。
ハンドソープ製造で抑えておきたいポイントの1つ目は、ロットは経済的であることを重視することです。
よく、小ロットから発注するということが行われます。
これは、売れ残りや赤字を避けるためには大切なことですが、発注費用と在庫を維持する費用とのバランスを取ることも考えなければならない一つの要素です。
そのため、小ロットで発注をするという考え方よりも、経済ロットで発注することをおすすめします。
たしかに小ロットでは余剰在庫を持たない分、売れ残りが出た場合の赤字のリスクを減らせますが、1つあたりの単価が高額になります。
同じ商品でも発注ロット数により、ロットが多ければ多いほど1つあたりの価格が半額にまで変わることがあります。
また、小ロットにした場合、発注回数が増えることから発注にかかる時間や人件費などのコストも膨らんできます。
そのため、在庫費用と発注費用の合計が最小となる経済ロットを確認し、在庫とコストのバランスを取ることをおすすめします。
ハンドソープ製造で抑えておきたいポイントの2つ目は、処方にこだわりすぎないことです。
自社のオリジナルでハンドソープを製造するとなると、他社にはない成分など独自にこだわりを追求しがちですが、こだわりすぎるとデメリットもでてきます。
例えば、成分にこだわるとどうしても原価が高くなっていきます。
予算をオーバーしてしまい、結果生産数を抑さえるため小ロットでの発注となり販売の際には1つあたりの価格を上げざるを得ないという例もあります。
そうならないためには、自社の強みとなる部分だけをこだわり、その他はよくある処方を採用するなど、こだわりたい部分をある程度線引きをして原価を落とすことが必要です。
ハンドソープ製造で抑えておきたいポイントの3つ目は、OEM会社は実績を重視することです。
ハンドソープはいわゆる「石鹸」ですが、石鹸を分類する場合、薬用石鹸になります。
石鹸に対応しているOEM会社があっても全ての会社で液体タイプのハンドソープに対応しているとはいえず、多くのOEM会社では特定のカテゴリーを専門としてその製造しています。
そのため、作りたいハンドソープの製造について実績があるOEM会社から選ぶことが大切です。
ハンドソープをOEM製造するためには、まず、自社で誰に対してどのようなハンドソープを作りたいのか、というコンセプトを明確にした上で、信頼できるOEM製造元を選考する必要があります。
ハンドソープはスイッチングコストが比較的安いことから、ユーザーの乗り換えも早く、自社で販売するハンドソープがユーザーに購入されやすい反面、その逆も起こるため、こだわりや生産計画を綿密に組むことが大切です。
そのためには、自社が作りたいハンドソープの製造実績があるOEM製造元を探し、依頼し取引を重ねて信頼関係を構築することが必要です。
ハンドソープのOEM製造元を比較検討した上で選考し、競争力の高いオリジナルのハンドソープを販売していきましょう。
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