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化粧品の外箱には何が書いてある?
書かなければならないことが決まっている?
外箱の表示で商品をアピールできる?
化粧箱の裏面を見るとたくさんのことが書いてあり、戸惑う方も多いのではないでしょうか。
化粧品は肌・髪などに直接塗布するため、消費者が安全に使用できるように、化粧品の容器・包装・外箱には製品に関する情報が表示されています。
これらは複数の法令に定められ、業界自主基準もあります。
製造販売業者は、表示の責任を追い、表示ルールを遵守しなければなりません。
ここでは、化粧箱の外箱の表示と広告のルールについて徹底解説し、裏面記載10項目について、知っておくべきポイントも詳しく解説します。
Contents
化粧品の表示は、容器・内容物を覆うパウチ等に表示しますが、包装によって容器の表示が見えないときには、外装の箱にも容器同様に表示をしなければなりません。(*1)サンプルも同様に、外装や製品と一緒に持ち帰ることができる添付文書に表示事項を記載します。添付文書がある旨を容器・パウチ等に記載します。
記載事項は、医薬品医療機器等法に定められた表示事項(法定表示)と、それ以外にも適用を受けるすべての法令にしたがって記載します。
出典:*1 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第61・51条
化粧品に共通する法定表示等は10項目あります。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
種類別名称とは、化粧品のカテゴリーを示すもので、法令(*2)の「種類別名称」・「代わるべき名称」に定められている名称を使って、括弧・枠組み・色替え等により目立つように表示します。(*3)
これは、消費者が目的・用途に合った化粧品を選択しやすくするための表示です。
例えば、「敏感肌用化粧水」など化粧水に用途を表す名称をつけたり、「日やけ用乳液」のように製品の剤型を表す名称をつけることもできます。使用部位を特定するときには、「ヘア(用)」などとつけます。多目的な機能を持つ化粧品については、「頬紅、アイシャドウ」のようにそれぞれの用途を表す名称を表示することもできます。
このように、用途・使用部位・剤型を種類別名称に表示します。なお、販売名の中に種類別名称もしくは代わるべき名称が含まれる場合は、種類別名称の表示を省略することができます。
出典:*2 化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則 別表1
出典:*3 化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則 第2条
販売名は、製品を製造販売する前に、製造販売業者が各都道府県の薬務課に提出する「製造販売届書」に記載したものをいいます。
販売名は、次の事項を念頭に置いて付けなければなりません。(*4)
出典:*4 薬食審査発第0331015号 第1 1(2)
出典:*5 化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則 第15(4)
製造販売業者の氏名・名称及び住所には、製造販売業者の氏名や法人名と、製造販売業者の責任者である総括製造販売責任者がその業務を行う事務所の所在地を記載します。
商品を販売する事業者が化粧品製造販売業許可を受けていれば、「製造発売元」の表示と、自社の会社名・住所を記載します。また、消費者からの問い合わせに対応する電話番号を記載します。
商品を販売する事業者が化粧品製造販売業許可を受けておらず、OEMメーカーが「製造発売元」となる場合には、「製造発売元」の表示の後に、「発売元」・「販売者」の表示と商品を販売する事業者の会社名・住所・お問い合わせ先の電話番号を記載します。
内容量は、容器や包装材料を除く内容重量(g・グラム)・内容体積(mL・ml・ミリリットル)・内容数量(個・本・枚等)で表示します。内容重量・内容体積は、平均量を表示します。表示量と内容量の誤差は、マイナス3パーセント以内にしなければなりません。(*6)
また、内容数量が6以下で、包装を開かずに内容数量を知ることができる化粧品については、内容数量表示を省略することができます。
内容量が10グラム又は10ミリリットル以下の小容量化粧品も、内容量表示を省略することができます。小容量化粧品の内容量を表示する場合は、10個の内容量の平均値は、表示した内容量のマイナス3パーセント以内に、表示した内容量と実質内容量の誤差は、マイナス9パーセント以内にしなければなりません。
製造番号・製造記号は、数字やアルファベットなどを組み合わせて、製造ロット、製造年月日、製造工場などを特定できる情報を表します。製品出荷後に消費者からの問い合わせがあった場合には製造番号・製造記号の情報を得ることで、企業は保管している同一の製造番号・製造記号の製品や製造記録を確認できます。もし製品に欠陥が判明した場合、製品回収などの措置を行う際にも、回収対象範囲を特定するためにこれらの情報が不可欠となります。表示面積が狭い化粧品については、一定の条件下で表示の省略が認められる特例もありますが、製造番号・製造記号を表示することは重要です。
出典:*6 表示に関する公正競争規約施行規則第5条
製造、または輸入後に適切な保存条件の下で3年を超えて性状・品質が安定な化粧品については、使用期限の表示は不要です。アスコルビン酸、そのエステル、それらの塩類、または酵素を含有する化粧品と、適切な保存条件のもとでも3年以内に性状・品質が変化するおそれのある化粧品は、使用期限を表示します。(*7)そのときには、「使用の期限」等の文字と、性状・品質の安定を保証できる期限の年月までを表示します。
出典:*7 昭和55年9月26日厚生省告示第166号
化粧品は、配合した全成分名を「成分」などの見出しに続けて表示します。医薬部外品では全成分の表示は任意ですが、表示指定成分102種類と香料のいずれかを含んでいる場合のみ表示義務があります。日本化粧品工業連合会の自主基準に基づいて企業の判断で医薬部外品も全成分を表示している商品があります。
製品を製造した国を「原産国〇〇」・「MADE IN JAPAN」などのように表示します。製品が1国のみで製造された場合はその国を原産国、製品の製造に2国以上が関与している場合は、「製品に本質的な性質を与えるために実質的な製造又は加工を行った国」として、化粧品の内容物を製造した国を表示します。例えば、外国で生産した内容物を輸入し、国内で小分け製造する場合、原産国は内容物を製造した国となります。なお、一般消費者が明らかに国産品であると分かる場合は、表示を省略できます。
輸入品の場合、原産地が一般に国名よりも地名で知られ、地名による表示が適切である場合は、「原産地〇〇」・「MADE IN 〇〇」のように地名を表示することもできます。
使用上または保管上の注意事項を「使用上の注意」などの見出しに続き表示します。
製品の種類・剤型・配合成分に応じて、必要な記載項目が定められています(*8)。また、業界団体による化粧品の使用上の注意表示に関する自主基準があり、記載例を踏まえ、製品実態に応じた適切な表示をするよう定めています(*9)。
使用上の注意の記載は、化粧品の使用によって生じる肌トラブルを未然に防ぐこと、または肌トラブルが起きた場合の被害を最小限にとどめること、化粧品を安全に使用し品質を一定に保つことを目的に表示します。化粧品の欠陥によって損害が生じた場合、被害者は製造業者らへ損害賠償を求めることができる「PL法(製造物責任法)」が定められています。化粧品によって起こるトラブルのすべての責任を負うものではありませんが、トラブル・訴訟を避けるために注意事項の記載は重要です。
使用上の注意の記載として、一般には開封前後を問わず高温多湿・温度変化の激しい場所・直射日光の当たる場所を避けて保管すること、使用後は必ず蓋をしっかり閉めることなどを記載します。
使用上の注意の記載においては、他にも医薬品医療機器等法に係る化粧品の注意表示に関する通知やエアゾール製品や可燃性の製品に関わる高圧ガス保安法、消防法等もあり、製品に該当する法令を遵守して注意表示をします。
出典:*8 化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則9条、別表2
出典:*9 化粧品の使用上の注意表示に関する自主基準の整備について:日本化粧品工業連合会
外箱が紙製容器包装・プラスチック製容器包装の場合に、外箱に、紙マーク・プラマークを表示します。マークの大きさは、印刷・ラベルの場合には高さ6mm以上、刻印の場合には8mm以上と定められています。(*10)
プラスチック製容器包装・紙製容器包装など指定表示製品のリサイクルを促進するため、資源有効利用促進法により表示が定められています。
出典:*10 資源有効利用促進法
ここまで、法令に定められた化粧品の外箱に表示すべき事項について解説をしました。化粧品売り場で化粧品を検討・購入する場合、消費者は外箱の表示をみて判断をするため、消費者が目的・用途・肌質に合う商品を選択できるよう表示の仕方にも注意点があります。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
化粧品の表示は、日本語で表示しなければなりません。(*11)海外から輸入した化粧品は、日本の法令に則った表示事項を日本語で作り、ラベルを貼る等の対応が必要になります。このラベルを貼るなどの包装業務は、海外の製造所で行う、もしくは日本国内へ輸入後に化粧品製造業許可(包装)を受けた事業者に委託します。
出典:*11 医薬品医療機器等法施行規則第221条の3で準用する同規則第218条
化粧品の外箱の表示事項は、他の文字・図画等に比較して見やすい場所に表示し、購入者・使用者が読みやすく、分かりやすい用語で正確に表示しなければなりません。(*12)消費者が目的・用途・肌質に合った適切な商品を選択し、安全・適切に使用することができるようにするためです。
出典:*12 医薬品医療機器等法第62条で準用する同法第53条
化粧品の外箱には次の事項を表示することはできません。(*13)
例えば、「肌トラブルの原因になる指定成分・香料を含有していない100%無添加」は不正確であり、それらの成分を含有する製品の誹謗につながるおそれもあります。「指定成分、香料を含有していない」旨の表示に留めるよう定められています。
記載禁止事項を守り、消費者を誤解させたり、危険を招くことのないよう十分注意しなければなりません。
出典:*13 医薬品医療機器等法第62条で準用する同法第54条,66条
化粧品の外箱には、法令により決められた表示事項の他に、広告を記載することができます。外箱に広告を記載することは、商品の販売現場において商品の魅力を直接消費者へ訴えかけ、商品の購買につなげる重要な手段です。一方で消費者が適切な判断で商品を選択し、安全に使用することができるよう全ての人が守らなければならない広告の注意点が法令・ガイドラインに定められています。(*14・15・16・17)
例えば、事実であっても「特許取得済み」と謳う広告、効果効能や安全性が確実であるように保証する広告はできません。化粧品の効能の範囲は、法令で定められた表現で広告します(*18・19)。
出典:*14 医薬品医療機器等法66条
出典:*15 医薬品等適正広告基準(昭和55年10月9日 薬発第1339号)
出典:*16 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について
出典:*17 化粧品等の適正広告ガイドライン:日本化粧品工業連合会
出典:*18 薬事法の施行について 別表1 薬発44号薬務局長通知
出典:*19 化粧品の効能の範囲の改正について 薬食発0721第1号 厚生労働省医薬食品局長通知
化粧品の外箱には、様々な表示ルールが複数の法令に規定されています。これらのルールは、化粧品を購入・使用する消費者の安全と商品の品質の安定を目的としています。そのため、法令から逸脱する化粧品は販売が認められず、商品を回収することもあります。
当社は化粧品のOEM製造に加え、表示ルールへの対応も行っております。化粧品の表示や薬機法対応などでお困りの際には、適切に対応できますので、ぜひご相談ください。
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