誰でも製品開発ができる化粧品OEM業界の徹底解説

化粧品OEMで製品開発を考えているが、業界に関しての基礎知識を身に付けたい
化粧品OEM製造の事業を検討しているが、業界全体と仕組みを知りたい
化粧品OEM市場の動向を知りたい

日本国内にも海外にも、世界中に化粧品OEMの製造会社がたくさん存在しています。

自社でオリジナルの化粧品やブランドを開発したいと考える法人や個人が化粧品の受託製造を依頼する仕組みが、化粧品OEMです。

実は、世の中の化粧品のほとんどがOEM製造なんです。

今後、化粧品OEM会社を利用して自社製品を開発されたい方や化粧品OEM業界への参入を考えている方の中には、化粧品OEM業界について知りたい方もいるかと思います。今回の記事では、化粧品業界の現状、委託形態や専門性について徹底的に解説していきます。

化粧品OEM業界の現状

まずは、化粧品OEMの現状についてご説明します。

化粧品OEM事業を行っている会社の数について、2018年3月末のデータでは、化粧品製造販売業が3,744、化粧品製造業は3,668となっています。


経済産業省のデータによれば、化粧品の国内工場出荷金額は2018年は5.2%の増加を示し、1兆6942億円となっています。

化粧品1㎏当たりの平均出荷単価は、1990年代の金額には及ばないとはいえ、近年の上昇傾向を続けています。

ご覧の通り、化粧品OEM業界は合計出荷金額及び1キロ当たりの単価も上昇のため、業界全体が右肩上がりで好調な状況を続けており、新規参入の企業も年々増えています。

それでは次に化粧品の委託形態について解説をしていきます。

化粧品OEM業界における3つの委託形態

ここまでは、化粧品OEM業界全体の現状についてご説明しました。化粧品OEM会社が多く存在しているとのことでしたが、化粧品OEM製造会社といっても、様々な委託形態があります。

  1. 自社工場で製造
  2. ファブレスで製造
  3. 自社工場&外注の両方で製造

それぞれの概要とメリット・デメリットをご説明します。

自社工場で製造

こちらは工場を持っている化粧品OEM会社のことです。規模は年商何十億~何百億といえます。自社ブランドを持っている会社もあれば持っていない会社もあります。

大手化粧品OEMメーカーはすべて自社工場を持っていると言えます。

自社工場で製造のメリット

自社工場で製造のメリットは以下の2つです。

・製造コストが安い

・技術やノウハウが蓄積され、処方の知的財産権も所有できる

製造コストが安いのは、原料代や人件費だけでものが作れるからです。他の会社から購入した場合に、製造コストに加わる利益分のコストがないので確実に安くなります。

他社から仕入れる場合は、製造工程や処方の配合率など、製造に関する情報を開示されませんし、そのノウハウも蓄積できません。

自社工場の場合は、全て企業秘密として所有することができます。

自社工場で製造のデメリット

自社工場で製造のデメリットは以下の2つです。

・設備投資や建物確保など、初期費用が非常にかかる

・設備のメンテナンスや原料、資材などの在庫で維持費がかなり高い

建物や設備など、工場を立ち上げるのは数億円では済まないほど大きな投資です。いきなりこのような投資をすることには、大きなリスクがあるので簡単に意思決定をすることはできないでしょう。

さらに、初期費用だけではなく、設備のメンテナンス、在庫管理、光熱費などの維持費に加えて、人件費などと、固定費が非常に高く発生します。

ファブレス製造

こちらは工場を所有せずに製造業としての活動を行う企業を指すビジネスモデルです。

中には、企画会社として活躍する会社もあれば、化粧品製造販売業を所有している会社もあります。

基本的には、協力工場を数多く持って、案件ごとに依頼をかけるやり方です。

ファブレス製造のメリット

ファブレス製造のメリットは以下の2つです。

・設備や技術に制限されないので、柔軟性が高く幅広い種類の製品が提供できる

・工場や設備などの初期費用や維持費がない

工場を持っていると持っている設備や処方により、できるできないが多く出てきます。

ファブレスの場合は、ケースバイケースでそれぞれの工場に依頼することができますので、どのようなものでも対応が可能と言えます。

また、実際に物を作るわけではないので、設備などの初期費用や維持費もかからないし、少人数でも営業ができるので、人件費もそれほどかかりません。

ファブレス製造のデメリット

ファブレス製造のデメリットは以下の2つです。

・製造工場からの仕入れに自社の利益を載せるので高価になる

・企画力や営業力が不可欠であり、付加価値の高いサービスを提供する必要がある

当然ですが、お客様に提出する見積の額は、仕入より高くついてしまいます。

価格面では戦えないため、企画力や提案力でそれを補う必要があります。

自社工場&外注の両方で製造

こちらは、基本的には自社工場で製造するが、自社工場では設備上の都合などで製造できない一部の依頼を外注で製造してもらう会社のことになります。

自社工場&外注の両方で製造のメリット

・製造キャパシティ以上に売り上げを伸ばすことができる

・お客様の多様なご要望に応えることができる

自社工場でのみ製造していると、ラインの確保ができなかったりなどで、お客様からの需要に応えられない場合があります。

また、設備や技術の関係で製造できないものもあります。そのような依頼を受けた場合に、外注に頼むことで、よりお客様のご要望に応えることができます。

自社工場&外注の両方で製造のデメリット

・自社製造のOEM製品と仕入れのものの差が激しく、営業しづらい

・自社製造のものと外注のものとで本質が違い、全体性が崩れる可能性がある

自社で製造しているものはコストが少ないため、お客様に提出する金額もそれなりに低くなります。しかし、他社から仕入れた場合は、その仕入額に自分たちの利益も載せると、自社製品と比べ、価格が高くなってしまいます。

また、それぞれの工場の製品のテキスチャーや使用感などにその工場の「味」が出ることが多いですが、他者から製品を仕入れることによってその一体性が崩れる可能性もあります。

化粧品OEM業界における専門性

世の中には、基礎化粧品、メイクアップ品、ヘアケア商品、UVケア商品など、様々な種類のものがあります。一方で、設備や技術、ノウハウの蓄積の関係で、すべての種類の化粧品OEM製品を製造できるという工場は少ないと言えます。

また、製造できるにしても、得意不得意の差が大きくあります。一つのカテゴリーだけを専門として、それだけ製造している会社も多く存在します。

それぞれについてご説明します。

基礎化粧品が専門の会社

クリームや化粧水、乳液などのスキンケアOEM製品を専門としているOEM会社です。その中にも、シートマスクやパックなど専門性が分かれることがあります。

メイクアップ品が専門の会社

リップやマスカラ、アイライナー、BBクリームやファンデーションなどいわゆるカラー化粧品OEMを専門としている会社です。スキンケアと合わせてやっているところもあれば、完全にカラーを専門としている会社もあります。

ヘアケアが専門の会社

シャンプー、コンディショナー、育毛剤、パック、ジェルなどの髪の毛に関するOEM製品を主に得意としている工場です。これらの製品においては処方を数多く持っており、製造実績も多く専門性が高いです。

それ以外が専門の会社

化粧品という概念は広く、日焼け止め剤や石けん(洗顔含む)や髭剃り剤まで様々なものも含みます。また、ペット用化粧品やオーガニック化粧品などを得意としている工場もあります。

化粧品しか製造できない会社もあれば、医薬部外品や医薬品まで製造できる会社もあります。

化粧品以外で、入浴剤や歯磨きなどの口ケア製品を得意としている工場もあるので、専門性が多様の業界といえるでしょう。

 

化粧品OEM業界における資材メーカー

化粧品OEM製品の本質は中身であるとはいえ、容器やパッケージなどの外観要素の品質や魅力性における影響の方が大きいといっても過言ではないと思います。

また、使用原料が処方の効能効果やイメージに与える効果も非常に大きいと言えます。

そういった中で、化粧品OEM製造会社ほど資材を提供する会社も化粧品OEM業界において必要不可欠であります。

それぞれ、詳しく解説していきたいと思います。

化粧品OEM業界における容器メーカー

化粧品の種類や使用目的に向けて多様なデザインの容器が製造されています。ジャー容器やチューブ容器、ポンプ容器やスプレー容器、スポイト容器などと数えきれないほどの容器の種類が存在します。

化粧品自体の中身がどれだけいいものであっても、容器が低品質のものを高価で販売できないし、使用感が衰える原因になる可能性もあります。

そのため、化粧品OEM製品を開発する際に、容器を中身よりも重要視するお客様は少なくありません。

容器メーカーが取り扱っている商品はほとんど日本国内で製造しているものです。しかし、ものによっては一部の部品を中国等で製造するケースもあります。(例えば、マスカラのブラシ)

また、会社によっては自社製造のものに加えて、中国や韓国の容器を輸入し、検査してから国内で流通させるケースもあります。

化粧品OEM業界におけるパッケージメーカー

化粧品のパッケージ仕様としては、紙の化粧箱が最初に思い浮かぶかと思います。容器に直接シュリンク(透明なフィルム)をかけた仕様もありますが、紙や透明の化粧箱に入っていることも多いです。

また、シートマスクのような製品になると、アルミ袋が圧倒的に多いです。ラベルも化粧品でよく使用される資材の一つです。これらの資材を作る会社も別に存在しています。

化粧品OEM業界における原料メーカー

化粧品の効能効果を謳うときには有効成分と共に原料がメインになります。原料メーカーが長年の研究開発に渡り、製品を生み出し、化粧品業界に展開します。

しかし、原料を開発し、製造している会社よりも原料商社の方が多いです。原料メーカーが化粧品会社との取引をそれぞれ進める営業部隊を有していないので、商社を通して販売することが多いです。

また、原料の商社は個人では輸入できない海外原料も数多く取り扱っています。

株式会社OEMの化粧品業界における特徴

続きまして、当社として化粧品OEM業界の中で得意としているポイントを3点ご紹介させていただきます。

専門性に限定されていない

当社は、化粧品製造業許可証、化粧品製造販売業許可証及び医薬部外品化粧品製造販売業許可証を揃っている化粧品製造業ですが、自社工場を持っているわけではなく、国内に信頼できる数多くの協力工場を持っているファブレスのビジネスモデルです。

それぞれの協力工場の「得意不得意」、「できるできない」を把握しているため、どのような化粧品・医薬部外品であってもお客様が作りたいものに最も適切な製造先で製造を行います。

また、すべての工場で多くの化粧品OEM製品の製造に携わっているため、処方やプロダクトコンセプトの知識も蓄積しており、提案力を持っているのではないかとも思います。

小ロットでの発注にも親身

化粧品OEMメーカーの多くは、最小ロットを高く設定し、小ロットでの対応が不可能なケースが多いです。

しかし、最初から大ロットで発注するのは、在庫を持ち、大きなリスクを抱えることになりますので、小ロットから始めてみたいという方がほとんどです。

当社では、そういったお客様のために、小ロットでの生産に柔軟な体制と、適正価格提供できる仕組みを心がけています。

数量や価格だけではなく、小ロットであっても容器やデザインの多様性や提供できる処方などにも力を入れ、初めての方を心よりサポートしています。

 

資材や原料管理まで任せられるワンストップパートナー

当社では基礎化粧品からメイク品、ドクターズコスメ、医薬部外品、ヘアケア、ボディーケア、サプリメント、ペット用化粧品まで幅広い種類のOEM製品を製造できます。

製造だけではなく、容器や化粧箱の探索も必死で行い、お客様がイメージする化粧品OEM製品の提供に全力を尽くす姿勢を心がけています。

お客様がご希望される原料も代行で手配し、管理するなどお客様にとって「なんでも任せられるパートナー」であり続けるために努力しています。

まとめ

今回の記事では、化粧品OEM業界を成立させる要素についてご説明した上、当社としての特徴を3点ご紹介させていただきました。

化粧品OEM業界は奥深く、この記事では書き切れないことがほとんどですが、全体知識としてご参考にしていただければと思います。

化粧品OEM業界への参入をご検討があれば、お気軽にお声がけください。

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